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ノスタルジー消費と時間解放型消費。

ミドルエッジには多様な投稿がおもちゃ箱のように無造作に存在しています。私たちはこれらが持つ思い出の一つ一つに触れて「あの頃」の情景にタイムスリップし、気軽に懐かしんで楽しい感覚を得ることが出来ます。今回は、その感覚と消費行動の関連性についての考察記事とします。

40代以降に起きやすいノスタルジー消費

世代原体験は齢をとってからの消費行動に影響を与えることがあり「ノスタルジー消費」「時間解放型消費」などの形態で現れます。

世代原体験とは、幼少期から20歳前後までの同世代に共通する体験を差します。ミドルエッジに溢れている「懐かしさの共感」はこの体験に括ることが出来るでしょう。この体験と関連するとされているのがノスタルジー消費です。

ノスタルジー消費は世代原体験後20年以上時間が経過した頃によく見られます。言い換えると当該世代が40歳代以降に達してから見られやすい消費形態といえます。

「懐かしい」感覚をベースとした消費性向、それがノスタルジー消費とされています。昨今よくみられる昔のおもちゃの復刻版、音楽や映画のリメイクなどはノスタルジー消費を刺激します。

例えば代官山蔦屋書店は、60~70年代にヒットした名作映画のDVDや復刻版CDが豊富に取り揃えてられています。

Amazonプライムの映像作品は90年代以前の作品が充実し始めています。

50代以降に起こりやすい時間解放型消費

時間解放型消費には自己復活消費夢実現消費とがあります。

時間解放型消費は子育て終了や転勤、退職などをきっかけに時間の拘束から解放されて起こります。

社会に揉まれ家庭を守り、そうした人生過程において「もう一度自分らしさを取り戻してみたい」と感じるのが自己復活消費。例えば中高年向けの登山サークルや社交ダンスサークルなど、学生時代や20代独身時代に打ち込んでいた趣味と、今一度向き合う機会が増えているようです。

一方の夢実現消費とは子供のころに熱中した趣味やおもちゃ、例えばコンプリートしたくても限られたお小遣いでは不可能だったガンプラやキン消しを、大人になったいまだから今一度収集しようとする傾向が含まれます。

夢実現消費の対象は、高級オーディオ、楽器演奏、スポーツカー、ラジコン、プラモデル、ダイビング、世界一周旅行など人によってさまざまです。

近年アナログレコードやカセットテープが再注目されていますが、このブームは学生時代にレコードやオーディオに凝っていたものの、お金がなくて高級品に手を出せなかった人たちが牽引しています。

企業の側も、これらの消費性向を受けてサービス提供に動いています。例えばヤマハが提供する「ヤマハ大人の音楽レッスン」は自己復活消費を狙ったもの、トヨタのスポーツカー”SUPRA”復活には夢実現消費が背景にあるなど。

ミドル・シニアライフに果たすデジタルの役割

マーケティングにおいてシニア層は注目されてきた存在ですが、ネットやデジタル機器を自在に使いこなす「デジタルシニア」を押さえることこそが、今後のシニアマーケティングのカギを握ると考えています。

上述の消費に対応した商品やサービス展開の拡充とともに、自ずとこれら世代への訴求を意図したデジタルマーケティングへの要望も高まると考えます。これからのシニアは当然にスマホ・PCを操りインターネットを駆使しますから。

ミドルエッジは世代に寄り添って運営を行って参りますが、いずれこのような社会的欲求の高まりとともに企業にとって有為なマーケティングの場となることが出来たらと希望しています。

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