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お題参加作品《詩や短歌等》

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お題が先にあり、そこに寄せて書いり詠んだりしたもので、他のマガジンと重複するものも含めます。
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記事一覧

白い嵐

白い嵐

美しくも射抜くような目をした女がひとり踊り狂う時、ものの怪のような唸り声を上げて大地を覆う白が舞い上がる。
凍った空間を容赦無く鼓舞する白い嵐。

悲しいか。

大地から生えたコンクリートの塊が、光の束を集めて薄っすらと笑う。
白の唸りは力を削がれ、女は膝をつく。
やがて迎えた静寂にその身を横たえ、束の間の夢と知った朝に白の闇は消えた。

悲しいのか。

柔らかなひとひらが、白銀の世界に溶けて

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お題短歌

お題短歌

自分で詠んだお題歌に、わざわざ詩を添えるという…

お題『冬薔薇』(ふゆそうび)

冬に咲く薔薇をふゆそうびと呼ぶ
枯れ枝にぽつねんと咲く姿は
道行く人の目にどれほどとまるだろうか
だたそれでも
こころ疲れた迷い人の行き先を
わずかに灯した花として落ちたのであれば

冬枯れの中で閉じた瞼の裏に
残像としてすら赤く灯るだろう

お題『紅葉』

朽ちる前
その刹那に色めきたつ葉は
ただ還り
次の芽吹き

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お題参加作品《短歌》

お題参加作品《短歌》

歩みきた四十路五十路の山景色
もみじ映えたる高き空かな

詩人の本懐 お題「途中」

冬枯れとしまりを超えし大木の
芽吹く一葉何を語らむ

優しい言の葉 お題「生命力」

月詠みの筆のゆきさきゆかしきと
恋慕の雫朱に染まりたり

うたかたんか お題「雫恋」

宵待ちて灯るあかりの儚きを
知る人の背に無為の月影

うたかたんか お題「街の灯り」

仄薫る古書にいきづく先人の
灯す明かりに幻を

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長歌 紫式部

長歌 紫式部

紫式部という名の、秋に実をつける低木を使って長歌を詠んでみたのですが、ちょっと言葉遊びをしています。

わたしの中では完全に違う二通りの解釈が成り立つように詠んでいます(@^^)/~~~(はい、拙いですが!…無謀な挑戦)

いやいやわたしの解釈遊びなど別にどうでもよく、見ていただいて、秋のひとつの光景が思い浮かべは嬉しいです!

※ (尚、この作品は「クリエーターサークル」(名称仮)内のひとつの

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色付く里に

色付く里に

自作の詩を朗読しました。
音、結構ちっちゃいです😎

観光地から少し外れた山あいの里。
お地蔵様に手を合わせる若くはない親子がいました。たっぷりと季節の風に包まれて、とりどりに色付いた木々の葉は、あと少しで土に還る支度をしているかのようです。髪に白いものが目立つようになった息子は何を。腰の曲がりかけた母は何を思い、手を合わせていたのでしょうか。

まるで 沁み入る山の色を映したかのように薄橙に染

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柿の花言葉

柿の花言葉

花言葉にははっとさせれれるものもあれば、どこに由来があるのだろうかと思うものもあります。あまり花言葉を知るわけではないのですが、この花言葉には驚きました。

柿の花言葉ですがいくつかあって、そのひとつがこれだそうです。

『壮大な自然の中でわたしを永遠に眠らせて』

柿の実の生産は、東アジア。とりわけ日本では、古来よりの食べ物として親しまれている果物です。
この花言葉はどういった由来なのかわかりま

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お題参加作品ー詩ー

お題参加作品ー詩ー

《おぼろ》

艶立つほどの漆黒のさなか
なぜ
歳若き月は儚げに漂う

恋しい人の姿形が
ぼんやりと遠のき
星々がひとつ消えふたつ消え
やがて
すべてがおぼろに写るのは
月詠み人の戯れだと
そんな言い訳など効かぬように
雫ひとつが
何事でも無いかのように落ちる

誰も彼も嘘がつけない夜だから
わたしはもたれる肩を探した

詩人の本懐 お題 『満天』

《儚い夢の中で揺れて》

色の無いはずの水の

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お題参加作品

お題参加作品

今回は、まるで違うテイストの詩、三編になってしまいました。ごった煮😅

まどろみは朝が来る少し前に

退屈な夜に後ろ髪を引かれているのに少し

少しだけ緩んだ吐息を落とす

窓辺に頬杖をつけば薄いブルーグレーが

静寂のしじまに明けを連れて来るのが見えたから

嘘のない顔で眠るあなたの横で

嘘を脱ぎ捨てるための小さな眠りにつきましょう

退屈な夜の残り香が

異国のおとぎ話を語りだすまえに

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詩人の本懐参加作品

詩人の本懐参加作品


詩人の本懐というTwitter内でのタグ企画に参加してみました。
日替わりでお題が出され、そのお題に合った詩やショートストーリー、俳句短歌等を投稿するのですが、時々やってみるのも面白いかなと思いました。
特に何があるわけでは無いので、noteにもシェアしたいと思います。
お題はそれぞれの下に記載してあります。
※自身の作品をTwitterから転載いたしました。

流れる星のあとさき夜空を走る流星

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