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本紹介

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2016年5月の記事一覧

最後の数ページで泣いてしまうのは、私はすでにすーちゃんではなく、母に感情移入しているからだろう。
あとは、自分が犯した数々の親不孝を思い返す。

臆病者の作りし怪奇児童文学

臆病者の作りし怪奇児童文学

最近、わたしの仲良くしている学校図書館司書仲間の間で、異様に盛り上がった作家、大海赫(おおうみ あかし)。

1966年にデビューして、1970年代以降、多数の児童書を刊行された大海氏です。当時の子どもたちの中には、強烈な影響を受けてずっと復刊を待っていた人もいます。
さらに、毎年、氏を囲む会も催されているとのこと。いい歳のとり方だと思います。Twitterもやられてます。

今回ご紹介するのは、

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嘲弄されても

嘲弄されても

久しぶりに、

「あーおもしろかった!」と、本を閉じました。

『世にも奇妙な君物語』朝井リョウ著諧謔の精神というか、でも限りない憐憫の情でもって今の世を非常にうまく切り取るよなー、朝井リョウ。
自分の中では、「現代の太宰治」認定。

この本には、身につまされる部分が多いのです。それは泣きたいほどに。
実は最初の章というか短編を読んでちょっと辟易して、数週間放置してました。
うわー、なんかいやだな

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月捕獲作戦

月捕獲作戦

帰宅後、ボーっとスマホを見たり雑誌をパラパラしておった。
「あ、もうこんな時間!洗濯物も取り込んでないじゃんっ」
とベランダに出たら、向かいの工事現場のクレーンが、月に伸びていた。

「あー、この光景を見せるために呼ばれたのかー(誰に?)」
と、妙に納得してスマホを取りに戻る。

この光景から思い起こしたのはこの2冊。

どちらも、登場人物が一生懸命、月に肉迫するおはなしだ。

子どもが小さか

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母の日のおくつろぎ

母の日のおくつろぎ

昼間っから一人白ワインなぞを嗜みつつ、ほろ酔いで読むは

水野敬也著『神様に一番近い動物』

これを読んで、人生を変えてもらおうと思いました。

カバーに使われている紙がエンボス度高くてステキ。帯も同じ材質です。

収録されているのは、

・三びきの子ぶたなう
・お金持ちのすすめ
・宇宙五輪
・役立たずのスター
・スパイダー刑事(デカ)〜カブトムシ殺虫事件〜
・愛沢
・神様に一番近い動物

の七編

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コービー引退試合と「重版出来!」

コービー引退試合と「重版出来!」

昨日は久しぶりにNBAの試合を見た。
ゴールデンタイムにバスケ中継やってることってあまりないので「お!」と思っていたら、レイカーズ コービー・ブライアントの引退試合だったのだ。

劇的な逆転でレイカーズが勝って、うおー!と叫んでうるうるしておったら、「ご飯炊いてないの?」とダンナに突っ込まれてムードが台無しになった大型連休の夜。

昨日は、朝っぱらから『リアル 14』(井上雄彦 作)を読んでいたの

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