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「お客さまが心地よく過ごしていただけるように」多様な人財が活躍するホテルスタッフの仕事

「就職氷河期世代限定」。本来は年齢制限を設けて採用活動を行うことはできませんが、就職氷河期世代に対しては、企業がこうした表記をすることが可能となっています。

四日市市に本社を置く、全国で90店舗以上のホテル・レストランを展開する企業も、就職氷河期世代限定の求人をスタートしました。この企業では、就職氷河期世代だけでなく、外国籍を持つ方のグローバル採用、障がい者のチャレンジド採用など、多様な人財を受け入れています。さまざまな人がチャレンジできる環境をつくる企業の想いを、採用担当の佐藤さんにお聞きしました。

多様な人財を受け入れる理由

こちらの企業では、ホテルのフロント、バンケット(集宴会)、レストラン、そして本部での業務などさまざまな仕事があり、新卒・中途・パートアルバイトなど働き方の形態も幅広く採用しています。

「私共の運営するホテルはいわゆるビジネスホテルで、24時間365日可動しています。つまり、全ての時間帯に人がいるんですね。例えば午前中はお子さんのいる主婦の方、午後になれば学校終わりの学生がいて、深夜にはダブルワークの方が働いています。コロナ(新型コロナウイルス)前は、インバウンドの需要が増えてきたので、外国人の方を積極的に採用していました」

しかし、新型コロナウイルスの影響により観光業は大打撃を受けます。中には廃業を選んだホテルもありました。

「弊社の社長は『コロナが落ち着いたら、また旅をしたい、誰かに会いたいという気持ちになる。その時に必ず、ホテルは必要とされる』という想いを持っていました。売り上げも減り、不安も大きかったのですが、再び観光業が盛り返したときを想定して採用を続けていたんです。しかし応募者も少ない中で、どこに活路があるのかと考えた時に、就職氷河期世代の方やパートタイムの方など採用の枠を広げてみようという考えに至りました」

また、「ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)」を掲げ、性別や年齢、国籍などさまざまな属性を持つ人々とともに互いに活かしあいながら、働ける環境を目指しています。

就職氷河期世代も活躍中!

実際に就職氷河期世代限定求人の募集枠から応募があり、働き始めた方もいます。

「これまで事務のパートや派遣社員として働かれていた方だったんですが、履歴書を見たら高校で数学科を専攻されていたことがわかりました。そこで面接で『良ければ、経理に挑戦しませんか』とお話してみたら、OKをいただいて。まったく経験がない仕事を始める不安はありながらも、とても頑張っていただいています」

年齢を重ねてから新しい仕事に挑むのは、不安や焦りを感じるもの。しかし、未経験からでも仕事を始められるように、手厚いフォロー体制が整っています。

「中途採用の場合、毎月1日を入社日として、7日間はオペレーション研修を行います。お客様の情報を管理するシステムの使い方や、挨拶や言葉遣いを含めた接客の対応の基礎を学び、そこから各現場での仕事をスタートしていただきます。デジタルツールやマニュアルを確認しながら学ぶこともできるので、中途で入社したとしてもしっかりと対応できると思いますよ」

こうしたフォロー体制が整っているからこそ、年齢や国籍を問わず、働くことができる。だからこそ、どんな人にも自分をアピールするポイントがあると思って欲しいと佐藤さん。

「いただいた履歴書、職務経歴書を隅々まで目を通す中で、『この経験はフロントに活きるんじゃないかな』『バンケットについてアイデアをもらえそう』など、ホテルの仕事と紐づけて、面接でお伝えするようにしています。しかし、せっかく入社していただいたのに合わなかったというのは応募者の経歴に傷がついてしまう。ですので、きちんとお話をお聴きし、私たちの仕事と経歴を照らし合わせて判断するようにしています」

佐藤さんは応募者の「自分でも見えていない長所を探す」ことを大切にされているそう。面接では「欠点がないように」「粗相をしないように」と取り繕ってしまうことも多いだけに、このような考えで面接をする企業があると思うと心強いですね。

多様な働き方ができるようにデザインされた新社屋

「ホテル業だからこそ、相手の話を聴く、丁寧に対応するというのは、ホテルマンとして根幹の部分にあるところ。ですので、お客様も応募者でも変わらず、おもてなしの精神で接することを心掛けています」

ホテルマンとして大切にしていること


日々、お客様を迎え入れるホテルマンの仕事。大変な場面も多々ありますが、「やはりお客様からのありがとうという言葉がやりがいになります」と佐藤さんは言います。

「私たちが運営するホテルはラグジュアリー系のホテルと違い、豪華な料理や景色の良い眺望があるわけではありません。出張や用事があったときに予定があるから泊まるビジネスホテル。だからこそ、自分の家のようにくつろげる、安心してお休みいただくことが非常に重要になってきます」

「だからこそ、スタッフのちょっとした行動がお客様にすごく喜ばれるんです。遅い時間にチェックインされたお客様に「遅くまでお疲れ様でした」と声をかけたり、雨の日にタオルを差し出したり。決められたサービスではありませんが、自分のできる範囲で考えておもてなしをすることで、お客様にありがとうという言葉がいただけるんです」

お客様からの「ありがとう」の言葉。それがやりがいとなり、仕事を続けているスタッフも多いと言います。

「とくに難しいことではなくて、日常生活の中で『自分ならこうしてもらったら嬉しいな』ということを、お客様に提供すると考えてみてください。そのちょっとした心配りがお客様の喜びの声につながり、自分のモチベーションになる。そういったところでやりがいを感じられる仕事だと思います」

自分がしてもらって嬉しいことを、誰かにも。そんな考えを持っている方はぜひ、年齢や経歴にひるまずホテルの仕事に挑戦してみて欲しいですね。

生まれ育った三重で活躍できる仕事


こちらの企業では、就職氷河期世代限定の求人をこれからも継続されるとのこと。

「まずは四日市市からということで、今は市内の求人しか出しておりませんが、今後は三重県、そして各都道府県へ広げて求人を出すことを検討しています。弊社は三重県内にたくさんホテルを運営しているため、希望の場所で働くこともできると思います。自分が生まれ育った三重県で頑張りたいと思う方は、ぜひチャレンジしていただきたいです」

正規職員として働こうとお考えの方、自分にあった仕事をお探しの方、ひとまず就職相談をしたいとお考えの方は、津駅東口直結アスト津3階にある就職氷河期世代専用窓口「マイチャレ三重」を是非お訪ねください。

マイチャレ三重 https://www.oshigoto-mie.jp/hiroba/mychallemie/
お問い合わせ:059-224-3309
平日は9時~17時、第1・3土曜日は、11時~17時に相談を実施しています。

また、今回ご紹介したような「就職氷河期世代限定の求人」については、ハローワークで探すことができます。ハローワーク四日市には就職氷河期世代専門窓口も設けていますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

ハローワーク四日市「就職氷河期世代支援窓口」

三重労働局「就職氷河期世代活躍支援特設ページ」

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