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Vol.8 【0学期の今だから①】日本の教育界はどんな子どもたちを育てたいのか?のお話

皆さん、1週間お疲れ様でした。先週(Vol.7)は「ユメセン」のお話を書かせていただきましたが,今週から思い切って学級通信で「ユメセン」の内容を書くことに…。生徒がどんな反応をするのかをビビりながらプリントを配付しましたが(笑)、食い入るように見ていただくことができました。後日のデイリーノート(毎日書く日記のようなノート)にも自分の夢を書く生徒がたくさんおり、「やってみて良かったな」という気持ちになりました(自己満足かもしれませんが、何かのきっかけになればそれでいいかなと思っています)。自己開示をすることの大切さを身に染みて感じました。これも、HANABIのnoteを覗きに来ていただいている皆さんのおかげです。ありがとうございます。

今回は、新年度に向けての、「私自身の心の準備」を書いていきます。テーマは「中学校教師として、3年間を通してどんな生徒を育てたいのか?」です。もし教育関係者の方でなかったとしても、「親・指導者として、どんな子どもを育てたいのか?」に問いを変換していただければ良いかと思います。
現在、生徒にとって「3学期(または後期)」の時期ですが、教師にとっては「0学期」の位置付けです。すなわち、これまでの教育活動を見直し、来年度に向けての課題解決を模索する時期です。PDCAに当てはめて考えてみると、CheckとActionの段階と言えるでしょうか。そんな時期だからこそのHANABIの考えを、noteに綴っていきます。
*表紙の画像は、Number Webから使用させて頂いています(HANABIが大好きな写真の1枚!)。

やんちゃ坊主「大久保嘉人さん」と指導者「風間八宏さん」との関係から学ぶこと

ボクが愛読している雑誌(『Number』)に、昨シーズンに引退した大久保嘉人選手に関する記事が出ていました(木崎さんの記事にはいつも感銘を受けてます!)。

この記事で注目したいのが、当時川崎フロンターレで指揮していた風間八宏さんの言葉です。

木崎さん「一般的に日本の指導者は、やんちゃな選手の扱いに苦戦している印象があります。風間さんはなぜだと思いますか?」

風間さん「私からしたらエネルギーがあることは武器なんですよね。噴火寸前の火山のような選手がいたら、噴火させてあげればいいんです。大事なのは噴火の力をどう使うかです。もしかしたら日本では、噴火を止めることばかり考えている指導者がいるのかもしれませんね。火山になれていない選手を一生懸命教えて、火山になれ、火山になれと言う。なのに火山になった選手がいると、手に負えないと言う。矛盾していますよね。爆発寸前の火山を噴火させてあげれば、そのエネルギーで周りもついてくるんです。そのエネルギーを止めちゃうから、いろいろな問題が起こる。やりたいなら徹底的にやらせてやればいい」

出典:Number Web(https://number.bunshun.jp).

ボク自身は4校の中学校で勤務しただけですが、他校の部活動顧問の様子を全て含めると、多くの教師は反抗的な生徒に対してこんな指導をしている印象があります。

・大きな声を使う
・人として選択してはいけない言葉を使う
・生徒の話を聴いているときは、たいてい「次生徒に何を言えるのか」を考える時間になっている
・「どうしてそういう態度をとったのか」を一緒に考える姿勢をとらない


少なくとも、上の4つは明らかに「教師」という権力をかざしているように思います。この場面で、もし教師の「お気に入り」だったらどうでしょう?おそらく、こんな指導にはならないかと思います(そんなことはあってはなりませんが…)。
どんな学校にも生徒指導規則のような、生徒指導時のガイドラインが存在します。しかし、結局は「教師」の根拠のない絶対的な正義が指導の基準になり、自分の考えや思いを表現する生徒の個性を知らないうちに奪っていき、画一的な考えを持つ生徒が育成されていきます。

この暗黙の了解のような現状を、いつになったら解決しようとしているのか?「令和型教育」というのであれば、ICTのような「有形」に頼るばかりでなく、本来教育が大切にしていた「無形」(気持ちの部分)にも焦点を当てて、新しい形でアップデートしていく必要があるのではないでしょうか?

こんな指導では未来がないと考えるのはHANABIだけではないと思いたい

このnoteを覗きに来ていただいた皆さんにお子さんがいた場合、こういった教師文化に対してどんな感想を持たれるでしょうか?
教師には、当然ながら、仕事に対する得意・不得意があります。ただし、生徒指導はちがいます。全ての教師が得意にしなければならない仕事です。

たとえ相手が中学生であっても、一人の人として耳を傾け、プラスの言葉の出し引きを考えながら、そばにいる姿勢が必要です。
頭ごなしの指導は、見方を変えれば、その生徒の人権を奪うことになりかねません(生徒指導が苦手と言って逃げてしまう教師はプロとして失格ではないでしょうか?)。
もしそんな教師がたくさんいる学校であれば、おそらくそこにいる生徒は大人の目を気にする姿勢しか身に付かず、人としての本質的な部分を成長させることはできません。そして、最悪のケースであれば、教師の知らないところで生徒が…ということにもなりかねません。

それでは、HANABIはどんな生徒を育てて行きたいのかという疑問が出てきますよね。答えはシンプル。2つの方向性を示します。

【生徒に対して】
意見や疑問があれば遠慮なく主張しても良い。ただし、人としての言葉遣いや態度には気を付けないとお互いに気持ちよくないので、そこは気を付けるようにする。
【学年教師に対して】
3年間で何を大切にしていきたいのかを学年教師と細かいところまで共有しながら、あとは学年教師自身の個性を生かす。ただし、生徒指導をする際は、「自分の家族だったら」というイメージは働かせること。


文部科学省が推進する「個別最適な学び」を絵に描いた餅で終わらせないために、まずは教師として当たり前のところを自己反省したいものです。ちなみに、「個別最適な学び」に関する解説が書かれている本は下のものがオススメです。

まとめると

ここまでの考察は、科学的な根拠がある内容ではありませんが、教育現場の肌感覚からの発言です。

働き方改革の前に、まずは自分の足元を見よう。

これがHANABIからのメッセージであり、教育界への警鐘です。

中学校教師は、幼少期〜初等教育期から引き継いだ重要なバトンをいただく大切なランナーです。3年間、高校進学や就職など、その先の未来を切り開くための基礎づくりに携わっているということを念頭に置いておく必要があります。

人は誰だってミスをします。ミスをしたときに、どうやってフォローしていくのか?
フォローせずに、そのミスを注意したり叱責ばかりしていたら、人はどうなっていくのでしょうか?
火山を噴火させてくるような生徒が目の前にいたら、それはチャンスだと思って、人を育てていくことを楽しんでいこうという発想を大切にしていきたいものです。

年齢的にも中堅教師になり、教師集団を引っ張っていく立場になっています。こういったことを基盤にして、新学期からは更にパワーアップした学校づくりをめざしていきます。

*最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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中学校社会科教師のHANABIです!学校教育の現状、中学校社会科の面白さ、自分の生徒・卒業生や全国にいる中学生へのメッセージ、時にはHANABIのプライベートまで、いろんな角度から掘り下げて綴っていきます!!SNS初心者ですが、よろしくお願いします(*^▽^*)