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父に会いたくなった話

先日実家に帰った時の話。

父が他界してもう9年近くになります。
幼い時はあれだけ怒ると怖くて怯えていたのに
永遠に会えない存在になると
都合よく思い出してしまう、
なんてわがままな生き物なんだろう、って
たまに思います。

父の仏壇に手を合わせて、
ただいま
と一言残した時に、
何枚かメモのようなものが置いてあるのに気づきました。

見てはいけないような気もして、
だけど
微笑む父の写真が
ここは安心していい場所だから、大丈夫だよ
と言ってくれている気もして
メモを開いてみました。

それは私の姉が、父が他界してから時々父に向けて書いていたと思われる手紙でした。

あまり仲が良い方でもなかった姉が
手紙の中で私について触れていて、
温かい手書きの文字と
普段口から聞かない言葉たち。

何とも言えないくすぐったいような嬉しいような、そしてどこか苦しくて複雑な気持ちになり、

父がいたら
私は何を伝えるかな

と考えていました。

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