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キマらない日も同じように

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「毎日書くこと」を目標に、友人とその日のテーマを決めて書いてます。
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2019年8月の記事一覧

夏の終わりの電車の中にて

飲み会に向かう電車の中、隣の席のスマホが目に入った。男の子がテンポよくスワイプをしている。あれは確かマッチングアプリのtinderだ。 数年前、私もよくスワイプをしてたなぁと懐かしく思い出す。厳選してスワイプした結果でも99%はマッチングしていたのでいい気分になっていたら、同じくtinderをしている男の子に「メンズはほぼ全員アリにするよ」と告げられ、なんだそうゆうことなのかと少しがっかりしたこと、メッセージをやりとりはするものの、いざ会うのはやっぱり怖くて結局やめてしまっ

言葉は魔法のように

褒められたことがある最初の記憶は?と聞かれたとき、何て答えるだろうか。 * 薄暗いイタリアンで、友人の1人がそんな話を始めた。はて、褒められたことなんてあっただろうかと思いを巡らす。もう1人の友人がスラスラ答え、順番は私に回ってきた。とくに悪ガキだったわけでもないけれど、褒められた最初の記憶になかなかたどり着けないものだ。寂しかったり、悲しかったりした思い出がつい浮かんでしまう。 遡ってようやくたどり着いた回答は、「押し入れに入れられても泣かずに笑ってる」だった。 兄

カエルと通じる世界

友人が真剣な顔をして話し始めた。 「家の近くにカエルがいたの。こんな都会にもいるんだよ。不思議じゃない? 夜の帰り道にネコがいたから一緒に遊んでたのだけど、そばをカエルが通って。写真を撮ろうとしたら、カエルもこっちに気づいてじっと見てくるの。お互い目をそらさないで、じっと。我慢できずにちょっと動いたら、カエルも動いていなくなっちゃったの」 気持ち悪いとも、驚きともつかない表情でその場の情景を淡々と述べる友人。彼女にはきっと、彼女にしか感じられない世界があるのかもしれないな

いつも100点が欲しかったけど

小学校のテストはだいたい100点だった。100点以外は認めない。98点でも物足りなかった。 中学校に上がると、100点を取るのが難しくなった。けれど80点は切りたくない。プライドと日々戦って、高校入試は大好きだった英語で100点も取れた。 高校に入ったら、80点なんて夢のまた夢。部活でくたくたになり、試験前になるとここぞとばかりにたくさん寝たので、50点代をさまよった。"いい点を取る"ことにあまり興味が無くなって、"100点を取りたい"対象は部活に向けられた。けれどスポー

罪を憎んで人を憎まず

今住んでいる家の退去告知が突然なされた。2か月半後。最初はバタバタと次の家を見ていたけれど、法律を調べてみると退去告知は遅くても6か月前までに行わないといけないらしい。さらに契約はこちらが不利になるように書かれている。代理人を悪だ、と思った。 突然の告知や、その後の対応の甘さ、さらにこれまでのあれこれが募って管理人への不信感を爆発させていたのだけれど、昨日ふと、「これが彼の仕事の仕方なのかもしれない」と考えた。 仕事では、自社にとって利益が得られるよう動く必要がある。サー

嘘が許されたこと

小さいころ習い事に行きたくなくて、忘れたフリをしたことがあった。 行きたくなかった理由は単純で、友達と遊びたかったから。忘れたフリをして母親に言えば、なんとかなると思っていた。そして実際、見事怒られもせずに何とかなった。 夏休みに入った8月の暑い日のこと。遊びに行った街の公衆電話から母親に電話し、「習い事はどうしたの?」と聞かれて「あ、忘れてた!」と言ったことを、時々思い出す。「今度は気を付けてね」と言われ、なんとかなったと安心したこと。時々思い出すのはたぶん、母親は見抜

人間は、感情が動いた時に成長する

お姉ちゃんがもらったノートを羨ましそうに眺め、「私も欲しい」とケンカが始まるーー。 松屋銀座で開催されている「ちびまる子ちゃん展」で見た、アニメのストーリーだ。ストーリーは、小さいころに1度見ていたものだった気がする。"姉への嫌がらせのためにノートへ落書きをしたが、何も知らない姉はそのノートをまる子へプレゼントした"なんてゆうオチを、ケンカ中の映像を見ながら楽に想像していたからだ。 小さいころに何を思ってみていたかは正直覚えていない。けれど、大人になってから見たそのストー

子どものこと

産休前の同僚とランチに行ったとき、「ずっと一緒だった子どもがお腹から出てくることにちょっと寂しさがある」と話していた。 バスケットボールよりも大きいお腹を毎日かかえ、腰が痛くなったり、仰向けで寝れなくなったりしながら、それでも出てきてしまうことに寂しさがあるのかと、予想もしていなかった言葉に驚いた。 「産むなら大きくなりすぎないうちにと思うけど、産んだら子どもと離れちゃうんだなぁって思うと少し寂しい。まぁ、しばらくは常に一緒にいるんですけどね」と、同僚は続けた。 約10

"運命"で片付けてしまえば

これも運命かな、と思う時はどんな時だろうか。 突然ふってかかってくる出来事に驚いてはいるけれど、心のどこかで諦めの感情を持っている時だろうか。これもまぁ運命かもしれないよなぁと、気持ちを引き出しにしまい込めるような気がする。 * "新しい職種"についたことが、やけに不安に思えた時期があった。Webの編集者はここ数年に登場した職種だ。だれが発端かはわからないけれど、オウンドメディアの乱立により一気に職種が広まり、Webライターなるものも急激に増えた。私は、その"急激に増え

星空を思う癒しの時間を日々に

クーラーで冷えた部屋の中で毛布にくるまり、砂漠特集の「TRANSIT」を見ながらフタコブラクダのことを考えている。全ラクダの1割、アジアにのみ存在する動物で、野生がほとんど。さらには絶滅危惧種に近い動物なのだそうだ。 ヒトコブラクダに比べると、かなり不格好で物珍しい。そもそもラクダは不格好で、ブサイクだ。何かを食べるときは顔を覆いたくなるようなブサイク顔で、口をぐわんぐわん動かすのだけど、その上についているかわいい瞳と、食べていない時もちょっとゆるい口元が、ブサイクをチャー

ジブリから学ぶ"媚びない"魅力

「ハヤオ知ってる?」から始まる恋があった。 それは大学4年の秋、イギリスのオックスフォードへ短期留学をしていたときだ。パブで知り合った同い年の男の子に日本人だと伝えると、冒頭の言葉が返ってきた。"ハヤオ"とは宮崎駿のこと。彼はジブリ映画が大好きだった。 特に好きだと言っていたのは、「Spirited Away」。千と千尋の神隠しだ。幼いころ何度も何度も見て、セリフは大体覚えている私と、「日本=ハヤオ」のイメージをこの映画でつけた彼。日本歴代興行収入第一位、海外でも数多くの

価値観の見つけ方

"最近よく思うのは、お金の稼ぎ方によって、人間の能力と運を見ることはできるけれども、人間性を見たいと思ったら、その人のお金の使い方を見るほうがいい、ということです。" ーー恐山院代 南直哉著より モノを売る時にストーリーも一緒に伝えられるようになった昨今、「対価を払う」ことに対する意味が徐々に変化しているような気がする。 ストーリーに共感してそのモノを買う、作っている人を応援したくてモノを買う。「支払う」行為が、そのモノや人を「支持する」行為と同等になってきているのだろう

個性はどこから出てくるものか

記事で個性はどう出すか。文体なのか、書き方なのか、「こんにちは、ライターの〇〇です」から始まる文章なのか。 文体や書き方は、掲載するメディアのトンマナで決まっていることが多い。読者にとって読みやすい文体、書く内容も読者の興味を引き付けるもの。極論いうと記事は読者に読んでもらうためのものであって、個性を出すためのものではない。それでも無機質で感情の無い記事よりは、心のこもったその人らしい記事のほうが読みたいよね、といった読者が多い場合、記事で個性を出せればいいと思う。 記事

1泊2日のリトリート。穂高養生園の生活

とびきりリラックスしてこようと、土日に滞在した穂高養生園。自然あふれる森の一角で、動物性食物を一切使わない食事が提供され、宿泊者は"何もしない"贅沢を味わう。長野県安曇野にあるホリスティックリトリート。 滞在したのはたった1泊でしたが、行く前と後で心にも結構変化があったのでメモ。 先週までの私思い通りにいかないこと、認められないような環境を感じずっとイライラしてた。最近は落ち込むことよりもイライラすることが多くなってしまい、そんな自分に対してさらにしんどくなる。なんだか自