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【ミライク利用者インタビュー】”診断がつかない”悩んだ経験を広げたい|「ベーチェット病を語る会」たすけ愛サークル 前田龍太郎さん

ベーチェット病は指定難病の1つであり、慢性再発性の全身炎症性疾患です。

診断が難しい病気で、病名が確定するまでに長い時間を要するケースが珍しくありません。
ボランティア団体「たすけ愛サークル」の代表である前田さんも、なかなか診断がつかずに苦労されました。

たすけ愛サークル
2020年7月に結成したボランティア団体。佐世保市社会福祉協議会ボランティアセンターに所属し、福祉に関するボランティ アの依頼に出向して活動している。
難病連絡協議会および身体障害者団体連合会と協働した難病患者・ご家族の支援活動、子ども食堂における学習支援や、高齢者向けスマートフォン講座などを行う。

▼前田さんの病歴・略歴

・複数の口内炎、38度の発熱。PCR検査は陰性。近隣の耳鼻科を受診。総合病院へ紹介を受けるが、ベーチェット病の診断に至らず。総合病院内の7つの診療科をたらい回しに。

・転院を希望するが渋られる中、難病連の難病カフェの存在を知る。難病カフェから佐世保市の障害福祉課、長崎県医療安全相談センターと繋がり転院へ。

・紹介先の初回受診で、ほぼ間違いなくベーチェット病とあると診断。大腸内視鏡検査により腸管型ベーチェット病と確定。

・入退院を繰り返す中、就職が決まるものの、出社によるストレスで再入院。

・就職による体調悪化を鑑みて、ボランティアに専念。「たすけ愛サークル」のボランティア活動中にスカウトされた児童センターにて就職。

前田さんは長崎県難病連絡協議会(※以下[難病連])との出会いにより、現在のかかりつけ病院へと繋がり、正しい診断や治療に至りました。

今回は、前田さんが難病連との繋がりにより得た経験や、患者SNSミライクを通じた活動の展望について教えていただきました。

診断がつくまでの苦労〜ターニングポイントとなった、難病連との出会い

ーー最初は診断がつかず、苦労されたと伺っています。難病連さんとの出会いで状況が変わったとのことなのですが、くわしく伺っても良いでしょうか。

実は、最初にかかった病院が免疫系の専門病院ではなかったんですね。症状も多数の口内炎と発熱だけだったので、診断がつけられない。さらに転院を打診しても、応じてもらえないという状況でした。

困っている中で、たまたま佐世保市内にあるハローワークの中に、難病連が「難病カフェ」を開いているのを知ったんです。

難病連に相談すると、佐世保の障害福祉課の方に繋いでくださいました。
そこから長崎県の医療安全相談センター(※)に相談するように言われて。

「医療安全相談センター」
医療に関する患者・家族等の苦情や相談を受ける窓口を県庁及び各県立保健所に設置し、相談者に助言や相談先の紹介を行うとともに、必要に応じた医療機関への情報提供、指導等を行っています。

引用元:長崎県 医療安全相談センター
※医療安全支援センターは、全国に設置されています

医療安全相談センターに自分の症状と病名がつかないこと、転院ができない状況を説明しました。

すると、その日のうちに、医療安全相談センターから転院前の病院の地域連携室のソーシャルワーカーに電話してくださって、すぐに転院の話が進んだんです。

この間、難病連の方が「検査、検査の繰り返しで埒が開かないなら、転院しかないよ」と後押ししてくださったんですね。結果として、難病連が転院のキッカケになったことは間違いないです。

難病連との出会いがもたらしたもの

ーー難病連さんを知ったことで、転院、診断と至ったのですね。難病連さんとの出会いで良かったことは、他にあるでしょうか

1つは人とのつながりができたことですね。
それは、自分が運営しているボランティア団体「たすけ愛サークル」にも生きています。

あとは毎月1回開かれる、難病カフェでの関わり。

実は難病カフェって、基本的に病気のことを話さないんです。
集まった時に「自分はこういうことをやってるんだ」っていう話になるんですね。
支部長さんも、全身の骨がずっと固まっていく難病を持たれてるんですけど、自分で普通に車の運転をされるし、この前も静岡まで行って、総会に参加されてて。
皆さん、前向きに明るく生きていらっしゃるんですよ。難病だってことを、感じさせないというか、バイタリティーが溢れるような人たちなんです。

だから、自分が入院したときや体調悪くなったとき、そういう人たちから「頑張れ」と言われると説得力があるんです。

この「頑張れ」には、その人たちがこれまで難病と戦い頑張ってきた中身が詰まっていると考えたら、くじけていられるかと思えるんですよね。
そこが、自分の中で糧になっています。

難病連さんと出会って、治療への向き合い方も変わりましたね。

ただ医師の言うとおりに、治療を受けることが全てではなく、治療や使う薬は、自分が納得した上で使うか使わないか決めることが大事だと。病院側と対等に話したり相談できる関係性を意識するようになりましたし、そう変わりました。

経験を広げる。Reaching out to Peopleの活動

ーー難病カフェの中で行われているという、Reaching out to People(リーチングアウトトゥーピープル)についてお聞かせいただけますか。

自分の苦労やそれを乗り越えた経緯を、難病患者さんに伝える活動です。

私の場合だと、なかなか診断がつかない中で医療安全センターに相談したら、その日のうちに転院の話が進みました。
結果として、転院先ですぐに診断がついています。

このような自分の経験を他の方に伝えることで、なかなか診断がつかないという状況が変わるかもしれない。

そうやって誰かの役に立つということが、自分の力になっている部分もあります。
体験を共有することには、価値があると思います。

僕自身、難病連に出会う前は ベーチェット病などの病気に対する知識がある知り合いがいませんでした。

だから、お腹が痛い、下痢していると言えば、「精神的なものだろう」と言われる。口内炎ができてっていうと、「口内炎ぐらいで、会社を休むのか」「人間生きてる以上、みんな、体きついんだよ。それを病気のせいにするな」と言われていました。

自分でも「多少調子が悪くても、社会人である以上は出社しなきゃいけない」「口内炎があって話せなくても、できる仕事はある」と言い聞かせてたんです。

でも難病連と出会って、病気があってもできることを、自分にできることをすればいいと思わせてくれた。

生き方っていうか、人生の歩み方っていうか、なんかそういうのを教えてくれる。
難病連道場に通ってるみたいな、そんな感覚でいます、僕の中で。

そういう気持ちになれる人が、活動を通じて増えてくれればと思いますね。

ミライクで広がる思い。アプリを通じて繋がる未来へ

ーーサービスが開始して間もないですが、ミライクについて感じていることや、これからの目標などはあるでしょうか。

ミライクの中で、まだベーチェット病の方とは出会えていないんです。
1番僕の症状と合致する、潰瘍性大腸炎やクローン病の方とは繋がっています。

今は、自分からベーチェット病のことを発信できたら良いなと思っています。

ホームページやメディアだと、書けることは限られて来るんです。
どこでもつながれる患者SNSアプリを通じて、「ベーチェット病はこんな病気で、こんなことで苦しんでるけど、光はいずれ見えてくるよ」というのを広げたい。

そして思いに共感してくれた人が増えて、今やっているたすけ愛サークルという地域密着型の活動から、日本全国規模の患者コミュニティに発展させたい。

ミライクが、その取っ掛かりになってくれればと思っています。

ミライクグループ「ベーチェット病を語る会」に込めた思いとは?

ーーミライクでベーチェット病のグループを立ちあげてくださいましたよね。どのような思いでグループを作られましたか?

「ベーチェット病を語る会」を立ち上げさせていただきました。
まだ僕含めて、2人しかいないんですけど。

グループの参加者が増えたら、寛解の状態について伺ってみたいです。
今、僕は下血や全身が関節炎があるんですが、退院証明書には「寛解に近い状態」にチェックが入ってるんですよね。

なので、 ベーチェット病で寛解したよっていう人に「寛解とはなんぞや」と聞いてみたい。

多少症状があっても寛解なのか、症状が全くなくて日常生活が普通に遅れてるのが寛解なのか。

ステロイドが効かない、何を飲んでも症状が改善しないって人が僕以外にもいたら、そちらのお話も聞いてみたいです。
3人寄れば文殊の知恵じゃないですけど、悩みが近い人たちが集まったら、何か解決方法が生まれるかもしれないですよね。

そして同じような悩みを抱えた人が新たにグループに参加されたときに、様々な提案を出せるようなグループになれたら良いなと思っています。

▼「ベーチェット病を語る会」への参加は画像をクリック!

※グループ参加へは、ミライクへの会員登録が必要です

同じ悩みを持つ患者さんに伝えたいこと

ーー最後に、同じ病気や症状に悩む患者さんに伝えたいことはありますか?

「1人じゃないんだよ」ということは、1番伝えたいですね。
自分だけで苦しむ必要はないよって。

例えばタウンページを開いて、難病関係のところに上から電話をかけて行ったら、どこかで繋がりやパイプが見つかります。

1つの病院や1つの相談者に固執せず、自分をオープンにいろんなところに頼ってみるのが、解決の糸口になるということも、広めていきたいです。

最後に

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