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母のコピーと化す私。│反抗してたはずなのに…

奔放な父と違い、
母は絵に描いたような良妻賢母の人、です。

「いいお母さんだね」ってよく言われます。

...と、今だからこそ言えますが、
昔は保守的でうるさい母がとても嫌でした。


でも、母の置かれた立場が分かるような気がする最近です。

そして、「母のコピー」と化していく自分に、
自分ひとりの話ではない「社会の仕組み」のようなものを感じています。

今回は、そんな話を。



|基本設定が保守的な母

自分が産んだ娘が、軽々しく男の人と寝たり、
性的な仕事に従事する。

そんな事態に顔をしかめるのは、"母" としては当然の反応なのかもしれません。

今なら、理解できる気もします。

「脚をそろえて座りなさい」
から始まり、
「スカート、短いんじゃないの」
といった小言まで、

母にはたくさん言われて育ったと思います。

大学に入ってもずっと実家暮らしだったので、
当然、外泊もNG。

...これじゃ一生、遊べない!(泣)


でも子どもって、親から言われれば言われるほど、反抗したくなるもの。

結局、「私にとっては、別にフツーだもん」と常に突っぱねながら、
私は母の意にそぐわないことばかりして、高校・大学時代を過ごしてました。


|チャットレディがばれてキレられる

父が家で、いつもアダルト動画を大っぴらに見ていた...という話は記事にした通りです。

そんな父の影響なのか、
性的なコンテンツに慣れ親しんでいた私は
何の気なしに、
ネット広告で見た「チャットレディ」の仕事を始めました。

大学2年の時です。

ノーマルな「お喋りチャット」もありましたが、
私は稼げる「アダルトチャット」を迷わず選択。

参考:女子大生・OLが気軽に参入、年間1億円を稼ぐ女性も 「ライブチャットレディ」の世界とは
(この記事に出ている「みぃ子」さん、私がリアルタイムで登録してた時にも活動してらした"神チャットレディ"です)

そして、夜な夜な実家で活動(配信)すること3ヶ月。

……母にバレました。キレられました。


画面越しとは言え「男性の前で体をさらす」なんて
母には許せない一大事
、です。

その後、すぐにチャットレディは辞めさせられたのですが、
この一件で、母との関係は決定的に悪くなって...。

「ぜったいに復讐してやる」
「もっと嫌がることやってやる」

みたいな気持ちが母に対して芽生えたのも、
この時だったように思います。


|同じ道を歩ませたいから「結婚、まだ?」

今さらですが、
「腰かけ就職から、社内で夫と出会い、寿退社。
その後はパート主婦へ」というのが、私の母の略歴です。

近年ではフルタイムで共働きのご家庭の方が多いかと思いますが、ひと世代前の「専業主婦」寄りの「パート主婦」。それが私の母でした。


家庭で夫を支える…といえば聞こえはいいですが、
いかんせん外で女を作るような夫(父)です。

母も腹の中では文句のひとつやふたつ...どころじゃなかったでしょう。

でも、経済的に夫に依存しきっているから、基本的には何も言えない。

私は母のそんな姿を見て育ちました。


そして、最近本を読んで知ったのが、

「母は、自分の娘に同じ道を歩ませることを、非常に強く望む」ということ。

それは「娘に同じ人生を求めることで、自分の人生を肯定するから」だという指摘に、
私は思わず息をのみました。

そうか。母もそうだったのだ、と。


25歳を過ぎたあたりから
「結婚、まだ?」としきりに言ってくるようになった母。

結婚しないのって、私(娘)の問題だけじゃなく、
すなわち母の生き方を否定することだったんですね……。


ついこの間まで
「外泊するな」「男と寝るな」だったのに、
今度は
「結婚は?」「子どもは?」...って、何????

そう思っていましたが、

母から絶えず受ける謎のプレッシャーの理由が分かって、ものすごく納得したのでした。


|まとめ 〜そして、母のコピーと化した私

さて、話を先へと進めてしまいましたが、

母との関係を俯瞰で理解できるようになったのは、
私自身が結婚して "ひとりの妻" となった後のこと。

独身だった時は、ひとえに母に反抗することしか頭にありませんでした。

そして、そんな娘は……、

というのは次の記事に譲ります。


一応、タイトルの「母のコピーと化す私」を回収しておくと、

母の願い通り、私が結婚して家庭に入ったが最後、今やすっかりやることなすこと母にそっくりになりました。

あんなに反抗してたのに!

包丁すら握れない夫を選んでしまうあたり、
「台所仕事は、女である私が100%担当」という刷り込みがあったんだな...と今さら気づかされます。
遅かった...。

一番身近な「女性の生き方のサンプル」って、やっぱり母親なんだなぁと。


一方で、
母娘関係において脈々と続く「社会の仕組み」に、もれなく私も取り込まれていたんだな…と気づけたことは、
いい意味で私を諦めの境地に連れて行ってくれました。

世の母たちが口を揃えて言う「結婚・子ども」は、
娘に対して、否応なしに発動するもの。

そして

私の葛藤は、個人的な話ではなく、社会的に共有されているもの。

そんな深い気づきを与えてくれてた本には、とても感謝しています。

参考文献:上野千鶴子・田房永子『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』



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