↓YouTubeショート
【料理が楽しくなるきれいなキッチン】
https://youtube.com/shorts/qHL_ho0RvrM?si=STaYpOG_vPBQvHcW

日本からイタリアの家に戻って、いちばんほっとしたのは、家のゆったりとした空間と広がる空を感じたとき。必要のないモノが空間を埋め尽くしている場所では、さくさくと作業できない。これを日本の実家で体感した。

両親の住む家はけしてゴミ屋敷ではなくて、ひとつひとつの物をキチンと収納している。ただし空間と物の量のバランスが整っていない。物を大事に使って、なんでも保存しておく世代の両親の家には、今すぐに必要のない物が多すぎる。

アイロンをかけるときも、物作りをするときも、いちいち物を移動させないとできない。ぱっと使える自由な空間が狭い。両親ふたりで暮らすには充分な広さがあるのだけれども、よくありがちな「なんとなく捨てられない」物があふれている。

空間とのバランスがとれているならば、思い出の品や趣味の物を好きなだけ身近に置いてもいいと思う。ただし

暮らしの動線と日常生活を圧迫しない

これを基準にして取捨選択をする。毎日の生活が快適ではないならば、ほんとうに手元にあったほうがいいモノなのか見直した方がいい。処分しても困らないものを何も考えずに放置しておく。これがクセになっていると、どんどんゴミが増える。

なんとなく置きっぱなしのモノがあちこちにある家で暮らす人は、すでにあるのに同じものを買う頻度も高い。なにを持っていて、なにを追加する必要があるのかちゃんと把握していないから無駄に何度も購入する。そして

空間を埋め尽くす。
片付ける時間がない。
探す時間がない。
またモノを買う。

そんな負のループに陥ってしまった最終形態は現代の社会現象のひとつであるゴミ屋敷。汚い空間で日常生活を送ると心身を病む。まともな食事も暮らしもできなくなる。そこまで酷い状態でなくても「なにも考えずに放置」してあるモノが増えると厄介だ。

実家のキッチンで料理をするのは、なかなかハードルが高かった。広さはあるのに物が多い。きれいに使ってはいるけれど、動線と物の配置がズレている。料理器具の話になると「いつか〇〇も欲しい」と母は何度か言った。

そう言って買ったホームベーカリーは床に置きっぱなしだし、コーヒーメーカーは私が引っ張り出すまで放置されていた。モノが増えれば快適になるのではない。使いこなせないモノは持たない方がいい。

「もったいない」世代の感覚はなかなかすぐに変わらない。普段暮らす自分の家ではないし、住んでいる本人達が満足しているならそれでいいのだけれど、改めて取捨選択の大切を実感した3週間だった。

私は惚れっぽい。
物によく惚れる。

だからこそ、今現在またはこれからの暮らしに必要かどうかじっくり吟味する。家に連れて帰る前に居場所があるかどうか確認する。価格の安さは関係ない。不要なものを「安いから」と大量に買い込むと空間を圧迫する厄介モノになってしまう。収納場所に収まらない物や居場所のないものは買わない。

小物や写真、カードなどを飾ることが好きなので、キッチンにも飾り棚とコルクボードがある。「好きなもの」かつ「その空間とバランスがとれるもの」だけに厳選している。どれほどお気に入りの物であっても、その場に合わない物は置かない。それだけは徹底している。

たまに雰囲気を変えたいときは、飾り棚の小物を変えてみるのも楽しい。ただし、ごちゃごちゃにならないように合わない物はいったん片付ける。

キッチンの作業スペースに物はなるべく置かない。広くないのでひとつの作業が終わったら片付ける。次の動きが楽になる。材料も大量に買い込まない。長期保存できる乾物や調味料以外の食材は1〜2週間程度で使い切る分しか置かない。

キッチンがすっきりしていれば料理が楽しくなる。部屋が片付いていれば居心地がいい。家が快適なら暮らしやすい。

ほんとうにシンプルだ。

ごちゃごちゃとしたものを片付けると心身もすっきりする。ついでに行動や性格まで変わってしまう。いらないモノも考え方も手放してみましょう。きっとなにかが変わります。

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