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授業ナッジ⑤6月の様子(単元計画表)【行動経済学×学校教育】

本記事は、授業ナッジ第5話になります。
前回の記事(第4話)⇩


6月の授業の様子

6月上旬頃には、板書に示してある3つの力(下記画像)が生徒に浸透した結果、生徒の授業態度に大きな変容が見られました。

画像左下「3つの力」詳細は第2話参照

課題の内容や評価基準について、教師に尋ねる生徒はほとんどいなくなり、教師に尋ねる生徒がいると「計画表(下記画像)に書いてあるよ」と即座に声をかけたり、丁寧に説明をしたりする仲間が現れました。寮で次回のワークシートの「予習」をしたり、授業前に仲間と課題についての考えを交流したり、授業外にも学習をする生徒が学級の半数以上に増えました。

「見方・考え方」を通した評価基準を作成するとよい

また、4月には上記の単元計画表を見ることを面倒くさがり、後ろ向きな発言を多くしていた生徒が「単元計画表はゲームでいう攻略本みたいだ」と嬉しそうに話し、意欲的に学習に取り組むようになりました。

その意味を生徒に尋ねると、
「ゲームの攻略本はゲームの進め方と、謎解きのヒントが書かれているじゃないですか。単元計画表も今日のやるべきことが載っていて、評価基準も実は解答のヒントになっていて、あーそこに着目すればいいんだなぁって」という答えが返ってきました。

確かに、子どもは大人からゲームの進め方やヒントをもらうことなく、説明書や攻略本を読み、自らゲームを進めていくものです。笑顔で語っていた生徒は、まさにゲームのように、クエスト(学習課題)を楽しんでいる様子でした。

授業の開始と同時に、予習を行っている生徒同士で「課題問題」を説明したり、評価基準を満たす解答を確認したりする姿が見られるようになりました。課題を早く達成した生徒は、自信を持って仲間に教えることができ、より分かりやすい説明の仕方を考えるようになりました。

まとめ

一見、反転学習のような気もしますが、それを「強いる」ことはしません。
ナッジはあくまでも「生徒の自由な意思決定」を尊重します。単元計画表だけで学習が進むわけではありません。板書の構造やワークシートなど「学び方の理解を進めるナッジ」で導いていくことがポイントです。

また、小学生ではこの単元計画表は作成していません。テスト日のみ伝えたり、あらかじめ予習できるように数時間先のワークシートを配付したりなど、子どもの助けとなるような簡単なナッジを設定しています。

次回は授業で使用する「振り返り」についての記事です。
授業ナッジの核でもあります。お楽しみに!

次の記事↓



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