あけび。
聞いたことはなかったけれど、見たことも食べたこともなかった食材。
あけび。

家族でスーパーに行ったところ、
夫が興奮しながら「これ、何、これ、何、どうやって食べるん？」
と興奮しながら手に取ったのが、あけびであった。

そこは輸入ものの食材を多く扱うスーパーで
野菜や果物も、通り一遍のものばかりでなく
シーズンごとに旬のものを並べていて、
野菜を買うのが楽しいスーパーだ。
ちょっとお高めなのだが、
スーパーの変わった食材を見るのが好きな夫は、
お安めのスーパーよりも、こういうスーパーに来ることを好む。

さて、手にしたあけび。
里山に普通に生息するものらしいが、
田舎そだちの私も食べたことがない。
昔、野山で駆け回っていた頃も、食べたのは
イタドリと野いちごぐらい。

見た目はなすびのよう。
紫。
おお、紫の食べ物ってなすび以外思い浮かばんな。

買ったものはスーパーで筋を入れていたのか、
そういうものなのかわからないが、
縦向きに切ろうと包丁を入れたところ、
スッと縦半分に割れた。

中からは、ゼリー状の白いものに黒い種。

口に入れるとほんのり甘い。
種は硬い。
この種は食べられないそうなので、ペット吐き出す。
（食べると便秘の原因になるとか。ネット情報。夫にそれを伝えると
「俺、下痢気味やからちょうどいいな」だそう。知らんがな。）
が、ゼリー状の実に絡みつくように種が在るため
なかなか吐き出せない。

娘と息子は一口食べて、終わり。
美味しいよ。
美味しいけど、みたいな感じで。
結局、翌朝、夫が一人で食べていた。
その夫も、
「俺は、もう少し酸っぱい方が好みかなー」とのこと。
知らんがな。

ちなみに皮も食べることができるらしい。
皮を食すときは、水につけてアク抜きをしてから。
天ぷらや炒め物にして、とのこと。

食べてみようと、水につけておいたのだけれど、
つけすぎたのか、
すぐに淵が黒くなってしまい、
なんだか美味しそうに見えない。
皮を食すのは断念することにした。

その時季にしかない、
珍しい食べ物を食べるのって
なんだか楽しい。