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伝統文化レポートPart7.えっ?!ゆかたに豆乳??「呉入れ」について

現在、参加者募集中の
文化庁「学んで作ってたしなむ。親子で伝統文化体験2023」
<一般クラス>はおかげさまで全てのプログラムが満席となっております。
キャンセルが出ましたら公式サイトやSNSなどで随時発信いたします。

<ろう学校クラス>もすでに半分以上お席が埋まってきておりますので
お早めに申込のほどよろしくお願いします。※9/24の干菓子&茶道体験は残り3席となっておりますのでお早めにどうぞ!
https://www.minamusu.com/oyakobunka/

伝統的な製法の天然本藍染めの江戸ゆかた(長板中形)について
様々な切り口で投稿させていただいておりますが
まだまだ奥が深い発見がございますのでレポートいたします。


江戸時代から続く伝統的な藍染め浴衣作りに豆乳???

浴衣に使われる布地は木綿の反物です。
そこに前回ご紹介した「型紙を使って防染糊で模様付け」する記事にも記載しておりますが、、、
https://note.com/minamusugohan/n/nb49b77a2e872

この防染糊で模様づけした後の工程に
なんと「豆乳」を使用いたします。しかも1から全て手作り

なんと乾燥大豆を一晩水に浸して豆乳を1から作るこだわり
市販の豆乳ではダメ。飲むわけではないが、やはり鮮度が大切だそうです
大豆の搾り汁のことを呉汁(ごじる)といいます

では、なぜ、藍染め職人さんがここまで鮮度にこだわるか解説してまいります。

豆乳のタンパク質によって藍の色が布に定着し染まりがよくなる

「呉入れ(ごいれ)」という作業。刷毛を使って反物に大豆の搾り汁を引き染めしている様子
特に半纏(はんてん)に関しては数回、呉入れしていく

鮮度にこだわる理由

特に「タンパク質」が多い豆乳(もしくは牛乳など)は
腐りやすいと言われており、鮮度が悪いと染めた時に
藍の定着が悪かったり不具合があるので手早い作業も必要となってきます。

クオリティの高い良い商品を作るとなると
いかに私たちが知らない些細な部分に宿るこだわりこそが
「粋」となって作品に表れてくるのかと思います。

現代のようにSNSなど普及していない江戸の職人の奥ゆかしい「粋」を見直し日本人の誇りを取り戻せ

ふと思ったのが、SNS上で嘘も誠も簡単に発信できる時代ではありますが、
長板中形(江戸ゆかた)を取材していた感じたことは
見えない裏面にも「柄」をつけるなど
実は手が込んでいるのに寡黙に作業を続ける
職人の「粋」を感じるこだわりが逆に新鮮でした。

本来、私たち日本人としての礼節さをしっかり貫き
本物の日本の文化に触れ、そして1つ1つの意味をきちんと掘り下げて理解する
思慮深さが必要なのではないかと思いました。

「本質」はブレない

「本質」はブレない強さを持っているので、今回は「伝統文化」がテーマではありますが、日常を含む全てに言えることかと思います。
自分で実際に見て、触れて、考えて理解する力を身につけたいですね。

日本人として受け継がれてきた技術や文化の誇りやプライドを後世にきちんとした形で伝えていけたらと今回改めて思いました。


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