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「株式譲渡」スキームを理解しよう|M&Aアドバイザー超初心者向け基礎知識!②

こんにちは。かきもとみさです。私は世の中に少ない女性M&Aアドバイザーとして仕事をしています。M&Aの仕事はめちゃくちゃ面白いです!なので、これからは女性M&Aアドバイザーを育てたいと考えており、「超初心者」向けにノウハウを発信しています。

今回は「譲渡スキーム」の勉強です。

スキームとは「枠組み」のこと

そもそも「スキーム」とはなんでしょう?英語ではschemeといい、「計画」や「枠組み」という意味があります。

M&Aの世界では、会社を譲渡するための手法を示します。主に上げられるのは以下の二つです。

① 株式譲渡スキーム
② 事業譲渡スキーム

他にもありますが、基礎知識ということでこのふたつの違いを説明します。今日の記事は株式譲渡スキームのみを説明します。

1. 株式譲渡とは

会社の「株式」を他者へ譲渡する手法のことです。

では、「会社の株式を譲渡する」とはどういうことでしょうか。

簡単に言いますと、その会社の株式を譲受された新しい株主(買手企業)は、その会社の「権利」も「義務」も、「すべて」を譲受することを意味します。

権利も義務も継承するとはどういうことか

では、「権利」「義務」とは何でしょうか。その中身は財務諸表で考えていくとわかりやすいです。

(「財務諸表が全くわからん」という方向けには、また別の記事でサポートしますね!)

基本的には株式譲渡を実行すると、財務諸表にあるすべての資産・負債を、新しい株主が継承することになります。「権利」≒「資産」であり、「義務」≒「負債」と考えていただければと思います。

下記にいくつか例として挙げてみます。

■資産(≒権利)
・売掛金:近い将来、顧客からキャッシュを受取る権利
・棚卸在庫:商品として販売でき、売上の源泉となる商品在庫の所有権
・有価証券:売却企業が保有する他社の株式。支配する権利を持っていたとしたらその支配権
・他、財務諸表に記載されないもの重要なもの:事業運営に必要な許認可や、特許や商標などのライセンスももちろん含まれます。

■負債(≒義務)
・買掛金:売掛金の逆で、仕入先にキャッシュを支払わなければいけない義務
・借入金:銀行などに返済しなければならない義務
・他、例えば退職給付引当金:いつか従業員へ退職金として支払わなければいけない義務などあやゆるものが含まれます。

株式を譲渡すると、上記のような資産・負債が新しい株主に自動的にすべて譲渡されます。従って、買手としてはM&A成立の前にどの資産・負債を継承するのかを買収監査を行うことでしっかり把握することが重要です。

2. 株式譲渡スキームの注意すべき点

リスクとしては、財務諸表に載っていない「隠れた負債(≒義務)」がある可能性がいくらでもあります。この隠れた負債を「簿外債務」と言います。

■簿外債務の例:
・未払残業代(サービス残業などが当たり前になっているときは注意)
・未払法人税、未払い消費税(滞納していたりする場合は注意)
・負債として計上されていない従業員退職金 
・係争で負けた場合の損害賠償金 etc.

買手が譲渡対価を決定するときには、基本的には資産も負債も時価評価して純資産をベースにするケースが多いですが、財務諸表上の数値が時価に等しいと考えるのは早計です。譲受できる権利だと思っていた資産を時価に換算してみたら価値がゼロに等しかった、なんてこともありえます。

簿外債務や、簿価と時価の価値の乖離などさまざまなリスクを把握し、継承する実態の資産・負債(権利・義務)を明確にするために、DD(デューデリジェンス/買収監査)は大変重要になってきます。

本日はここまでです。次回は「事業譲渡スキーム」について勉強します。


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