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もしも・・・を頭の中で繰り広げる

もしも・・・と妄想することが物心ついた頃から好きで、今日も暇さえあればひとり頭の中にもくもくと世界を広げる。

わたしの妄想は、まっさらな未来に向けてのファンタジーというよりは、過去の思い出やもしかしたら起こりうるかもしれないことに、こうだったら面白そうだなとか、もしこの場面になったらどうなるんだろうとか。実際に周りにいる人が続々と登場する。

たとえば、今のわたしのまま、1日だけ高校生に戻ったとしたら・・・

もちろんクラスメイトも部活のメンバーも当時のままで。みんな、今のまま。好きなことを実現させてる子も仕事に忙しい子も、そのままのわたし達で1日だけ高校生になる。

ガラガラと教室のドアを開け、おはようと寝ぼけた声の先にはMacを広げて仕事をしている子がいたり。アイスコーヒーを片手に教室に入ってくる子や、お世話になっておりますなんて電話口で言ってる子もいる。

絶対にあり得ないことなんだけど、もし・・・と妄想してみるとちょっとだけわくわくする。だって、あの場所で今の生活をするって、どこか得意げだ。

授業がはじまれば、ノートを広げ先生の話を聞く。きっと、あの頃と同じ授業を受けてもメモの取り方が違うんだろうなとか質問の内容も当時よりはましになってるだろうとか。久しぶりにあの先生に会ったら飛び上がるほど嬉しいだろうな。顔を見ただけで、「わぁー!!!変わってない〜〜!!!」と指を指して爆笑してしまうかもしれない(失礼)、とか。

とにかく、箸が転がっただけで可笑しくて可笑しくて仕方がなかった時期だから、それを思い出してはまた「懐かしい!!!!」とビックリマークを大量につけてはしゃぐのだろう。

会いたい人がいるから、会えたときの妄想をするのかもしれない。

下校の時間には、西日の当たる教室に吹奏楽部の音が広がる。いつまでも残っていたくておしゃべりは続く。自分の居場所があるっていいなと安心するかもしれない。

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あのグラウンドに立ってボールを追いかけたりバットを振ったりする日はもう二度も来ないと思うからこそ、グローブをはめたわたしたちでまたあの場所に集合したらどうなるんだろうと思うことがある。

嬉しくてたまらないハイテンションな照れ笑いで、きゃっきゃっしながら、ああだったよね!こうだったよね!と思い出をなぞるようにはしゃぐのだろう。

「華のJK!」と叫んで上履きでそこらじゅうを駆け回ったり、部活がオフの雨の日に原宿でプリクラ撮りに行ったり。

あの頃から年月は過ぎた。そもそも、母校は合併してしまって校舎は取り壊されることが決まってる。そう思うとやっぱり実現するはずのない未来なんだけど、過去の思い出をつぎはぎして「こうだったらたのしいだろうな」を妄想するのは、良い思い出だったからこそなんだろうなと思う。

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ときよりこんな妄想もする。

昔好きだった人が末期癌になって余命がいくばく......都内の病院に入院していると風の噂で聞いたらわたしはどうするんだろう? なんてドラマのようなベタなシーン。

会いに行くのかな、行かないのかな? 行ったとしたらどんな表情で、どんな声で、どんな言葉を交わすんだろう...? なんて、ちょっぴりリアルでシリアスな妄想も好き。

照れたように笑うのか、低くつぶやくような声しだせず大好きだったプリンをお見舞いとしてぽとんと置いて帰るのか。手紙でも書くのかな。それとも当時のことをぽつりぽつりと話すのか。

大切な人の死はわかりやすい。こころがまっすぐに反応するだろう。でも、大切だった人は?過去の自分と過去の人。でも起きているのは現在で、未来はどうなるかわからないとなると...

わたしはどうするんだろう?

こんな会話をして、こんな表情になって、こんな場所に行って、最後はこうなって......。いやいやいや、そんなことあるはずない。

そんなこんなのやりとりを頭の中で繰り広げ、ひとりでにウキウキしたり切なくなったり、感情と想像力のトレーニングみたい。

そんなこんなで駅に到着。簡単に楽しめる遊び
もしも・・・のストーリーを、みんなでシェアしてみても楽しそう。

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