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空海 四国巡礼の旅

先日、四国88ヶ所巡礼の旅を始めた。

空海さんの生誕の地と言われている香川県善通寺周辺の71番札所から77番は、「七ヶ所(しちかしょ・ななかしょ)まいり」と言われ、この七ヶ所を回ることは四国霊場をすべて巡ったのと同じ功徳が得られるという、江戸時代から続く風習とのこと。  四国は先ず、この7カ所まいりからスタートした。

事前に、御朱印帳や納め札、写経を用意し、巡礼の旅の安全祈願に、東寺、仁和寺、神光院を参拝して準備を進めて来た。

友達らとお茶やランチを楽しみながらの、カジュアル参拝。歩きやすい靴下と普通の服装での巡礼。

数年前、今回と同じメンバーで西国三十三所巡礼の満願を叶えた。その時は出来なかったが、今回は般若心経をしたためてきた。家が真言宗の友達は御詠歌も御真言もスラスラ言えたりする。私は普段から南無阿弥陀仏1つ、言えるだけなので、せめてお納経を納めたい。

やはり、巡礼の旅は良いものだ。ざわついた心が落ち着く。お寺には暖かく包み込むような柔らかさがあると感じる。お寺には、それぞれ特色があり、自分の好みも分かれるところだが…

空海さんが歩き、修行たとされる場所を自分も歩く。今のお寺の姿に空海さんはどんな感想を持たれるのだろうか。

旅から帰ってから、空海さんのことをもっと知りたくて映画をみた。

『空海』1984年公開日本映画。 佐藤 純彌 監督。
飯村雅彦 撮影。早坂暁 脚本。北大路欣也 主演。加藤剛 小川真由美 西郷輝彦 西村晃 丹波哲郎 森繁久彌 など出演。弘法大師空海入定1150年を記念して全真言宗青年連盟映画製作本部が東映と提携して製作。真言宗を開いた空海の波乱に満ちた半生を書く。

なんと言っても、キャストの豪華さだ。

主演の北大路欣也さんは、つかこうへいさんの『2代目はクリスチャン』や、菅原文太さん主演『仁義なき戦い』の中で、恩義に厚く礼を尽くす律儀な若者のイメージがあり、その真っ直ぐな視線に胸熱。

加藤剛さんの最澄も御人柄が良く、真面目な感じが好感度高く、空海さんとの見解の違いが良く表現されていた。

小川真由美さん、策略に満ちた妖艶さで、帝を裏で操る義理母役を怪演。

丹波哲郎さん、朝廷を凌駕する勢いの僧侶の権力に辟易とし、奈良から京都に遷都を敢行する実行力のある天皇役。威厳ぶりが流石です。

森繁久彌さん、『社長』シリーズなど、ちょっとずる賢くてお茶目な社長イメージ。朝廷に仕えながら、権力闘争なんのその我が道をひたすらに極めようとする天才、甥の空海の良き理解者で、中国留学の口添えをしたりと、上手く立ち回る人物を好演。

そして、全真言宗青年連盟の全面バックアップがあったとのことだが、境内で僧が立ち並びお経を唱えるシーンは圧巻。

また、エキストラの数が半端なく、また違和感なく統率され動いている。”ミスター超大作”との異名を持つ、佐藤純彌さんが監督指揮。『敦煌』1988年公開日本映画も、監督されたとのこと。『敦煌』は、まだ若く眼光鋭い西田敏行さんが印象的。砂漠の平原をエキストラの軍団が騎馬や歩兵として、ダイナミックに滑走する。時に平山郁夫さんのシルクロードの絵を見ているように穏やかに…なるほどのスケール感のあるエキストラ使いだった。

余談ではあるが、”キングダム”ファンでもある私。こんなエキストラ使いでキングダムの映画が制作されたらな…と、ワクワクな想像をしてしまった。


ものごとの理解が早く天才気質。それに甘んじることなく、若い頃から生涯にわたり修行された空海さん。今も修行を続けておられるのだとか。私たちと一緒に歩いて下さっているのだとか。

「この世で幸せにならなければ、何とする!」

世の中が、天災に苦しみ、争いで田畑が荒廃し、病気の蔓延、飢える民衆。希望を失って死に直面する人々を励まし、「生きよ!」と言われた空海さん。

2022年今まさに同じことが世界中で起こっている。ヨーロッパ、アメリカでは、乾燥による大火災が発生。ウクライナ戦争では農作物や家畜を焼き払われヨーロッパへの食糧供給が危ぶまれている。コロナの蔓延。物価高。失業率は上がり、飢える民衆。

自分が望まなくても、苦しいや悲しいことは起こる。不意をうつかのように降ってくる、それからはなかなか逃げられない。

”希望を持つこと”

どんなことが起こっても、必ず道は開けてくるのだ。私は世界の平和と、私自身の平和を願う。

空海さんがみた風景を追いながら、空海さんの心に触れることが出来ますように、祈りながら旅をしたいと思う。

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