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肉と野菜、どっちのタンパク源が優秀なの?アメリカの研究でわかった「タンパク源が栄養摂取に与える影響」

タンパク質の摂取不足は日本人の食事における大きな課題の1つです。タンパク源といえば肉・魚など動物由来の食品を思い浮かべます。動物由来タンパク質は必須アミノ酸の含有量が多く、植物由来タンパク質は少ないため、やはり動物由来の食品を食べることは大事なのですが、植物由来タンパク質を摂ることも非常に重要です。

その理由として、それぞれの食品に含まれる栄養の違いが挙げられます。例えば豆類(大豆や豆類を含む)、ナッツ類、種子類、穀類などの植物性タンパク質食品には、食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンE、マグネシウムが含まれます。

肉類や乳製品などの動物性タンパク質源には、亜鉛、ビタミンB12、ビタミンD、カルシウム、リン、鉄が含まれます。また、豆類は非ヘム鉄を多く含んでいます。

日本だけでなくアメリカでも、植物性食品(豆類、エンドウ豆、レンズ豆、穀類)と動物性食品(赤身の肉、鶏肉、魚、卵、低脂肪乳製品)の両方から、栄養密度の高いさまざまなタンパク質食品を摂取することが推奨されています。

では実際に、植物性食品からのタンパク質摂取量が増えると、人々の健康にどのような影響があるのでしょうか?アメリカで発表された研究から、その結果を紹介します。

植物性タンパク質摂取&動物性タンパク質摂取による栄養の変化

この研究は、全米健康栄養調査(NHANES)の食事部門であるWhat We Eat in America(WWEIA)の食品と栄養素のデータを使用しました。NHANESは、米国の非入院市民住民の健康と栄養状態を評価するために設計された進行中の全国代表調査研究プログラムです。

研究では、全米健康栄養調査に参加した約20,000人のアメリカ人のデータを収集しています。その内訳は以下の通りです。

  • 9~18歳の青年:4,605人

  • 19~50歳の成人:7,617人

  • 51歳以上の成人:7,271人

そして、それぞれの年代について調査を進めたところ、まず9~18歳の青少年の場合、通常のタンパク質摂取量は平均約71.0g/日であり、その35.5%が植物由来でした。そして、植物性タンパク質摂取量が増加するにつれて、次のような傾向が見られたそうです。

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