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「コーチ」という存在を考える〜大学生⑱〜

2年生になった時、箱根駅伝の競技規則が変更されました。

「大学と大学院は今回の大会から合同チームを組んではいけない、別チームで出ること」

箱根駅伝のルールはびっくりするくらい頻繁に変わります。今回のルール変更は箱根駅伝だけでなく、インカレでも同様の変更が行われているので、前年に筑波大学がとった裏技が直接的なきっかけで変更されたわけではないと思います。ただ、タイミングが良すぎたので、全く無関係だったとも思えず、なんだか自分たちがルールの穴を抜けてズルをしたみたいな感じに取られたようで、悔しかったです。まぁ、考え過ぎかもしれきかもしれませんけどね。私立大学が選手をごっそり推薦で獲得してチーム力を上げている一方で、そういった選手勧誘ができない大学にとっては、工夫して戦うしかありません。希望の光を一つ消された感じがしてなんとも言えなかったです。

そもそも、ルールは時代に合わせて変更していくもの。逆に全くルールが変更されずに続いているものは、ある意味危険だと思います。ただ、箱根駅伝に関してはメディアの注目度が高まるようになって以降、ルール変更の頻度が格段に上がった気がします。ここにも少なからずメディアの影響はあるでしょうね。

僕たちが大学生だった頃に比べれば今は戦国駅伝の様子そのもの。色んな私立大学が「駅伝部」に力を入れているので、今は出るのは本当に大変だと思います。

■ダイゴさんとサイジョーさん

学生主体のチームと度々書いてきましたが、練習を見てくれるコーチはちゃんといました。当時はダイゴさんとサイジョーさんという二人のコーチがいました。二人に初めて出会った時の印象も結構強烈で、今でも鮮明に覚えています。

大学2年生の話に入ったにも関わらず、話が少し戻ります(汗)

大学に入ってしばらくした頃、ロードを使った集団走の練習がありました。1年生にとっては入部して間もない時期なので、緊張感のある大事な練習。だからこそ、余計に記憶に残っているのかもしれませんね。そんな中、大学生に混じってガタイのいいランナーが集団についてきました。つくばの市民ランナー?大学生の集団にくっつけるの?いろんなハテナが頭の中をよぎりましたが、先輩は誰も気に留めません。そんな状況を不思議に思っていたのですが、そのうち脱落していくだろうと思ってやり過ごしていました。ところが、いつまでたっても集団についてきます。ついてくるどころか、しまいには陸上競技場まで一緒に走って一緒にゴール。実はそれがダイゴさんでした。

高校生の時に駅伝で全国制覇、筑波大学が最後に箱根駅伝に出た第70回大会のことを知っているOBがダイゴさんで、成瀬さんたちが大学4年生の時に口説いてコーチになってもらったようです。指導者はドーンと仁王立ちして指示する人というイメージが強かったのですが、一緒に走っているというところにまず驚き、しかも普通に速い!ダイゴさんが学生時代の練習の様子を時々話してくれたのですが、とにかく豪快でした。練習中に脱水で倒れてフラフラになり、畑になっていたスイカを割って食べた(もちろんあとでお詫びしてます)とか、部内の選考レースのときにこんな甘いことをしていたら箱根で戦えないと考えて、自分で事前に16kmほど走っていたとか、、、武勇伝を聞くと枚挙に暇がありません。

そして、サイジョーさんも熱血でした。もともとは筑波大学の女子チームコーチ。筑波大学の挑戦に共感して行動してくれた人です。サイジョーさんも初めて出会った時は走ってました。練習中に急に知らない人が給水を走りながら渡してくれて、先輩たちと仲良く談笑していました。後でそれがサイジョーさんという人だと分かり、それからは親しく色んな話をしてくれました。大学1年生、2年生の頃は二人が練習を見てくれていました。

ただ、二人とも正式なコーチではありませんでした。正式じゃないという意味は「ボランティア状態」であるということ。大学から雇われていたわけではないのいので無給でした。だからこそ、もちろんコーチ以外の仕事もあるし、僕たちの練習だけに時間を割けるような状況ではなく、毎日来ることもできないのは歯がゆさもあったかもしれません。ただ、当時はそのことをあまりよく理解しておらず、もっと練習に来て欲しいと不満に思ったものです。

自分が指導者側に立った時に、選手の時には気にも留めなかったことが山ほどあって、本当に大変なことだなと身にしみてわかりました。ましてや、無給なんて・・・頭が下がりますし、感謝してもしきれないです。

■コーチとは

少し一般論になりますが、そもそもコーチってどういった存在なんでしょう。語源は【馬車】であり、「大切な人をその人が望むところまで送り届ける」ということだそうです。コーチングについて書くとここでは絶対におさまらないので、さこは端折らせてもらいますあ。ざっくりいうと、そこから派生してコーチングは、「人の目標達成を支援する」という意味で使われるようになりました。目標達成のために支援者っていうことですね。

最近タイムリーなコーチといえば大坂なおみ選手のサーシャ・ペイジン氏でしょうか。将来有望な選手ナンバーワンと言われながら、なかなか結果が出せなかった大阪選手に対して、メンタル面に弱点があるとしてそこにアプローチし、全米オープンで優勝。まさに大阪選手を目標達成に導いたといえます。

技術的なことや体力的なことだけでなく、メンタルやコンディショニングなども全て含めて目標達成につながることを手伝ってくれるのがコーチだと思います。依存関係ももちろんダメで、選手自身がきちんとコーチの意見を解釈して、そこからすり合わせをするという作業が必要な気がします。

そして、やっぱりコーチは熱い人であって欲しいなと個人的に思ってます。厳しいことをいう人でもいい、口うるさくてもいい、ただ親身になって話をしたり、聞いたりしてくれる人であって欲しいいなと思ってます。

結局ダイゴさんも、サイジョーさんもコーチをずっとやれる環境ではなく、僕は大学4年間でコーチが3度も変わりました。その度に方針が色々と変わって対応できていなかったと思います。今振り返れば色々足りてなかったなと思うところは少なくありません。

そう思うと、今の筑波大生は恵まれていますね。。。後輩にちょっとだけ嫉妬します(苦笑)

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