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「気持ちの差」は「成長の差」であると実感した話〜大学生㉑〜

今回このnoteで自分の半生を書いていくにあたって、よく見返すのが当時の練習日誌です。

中学生の頃の練習日誌を見ると幼くて懐かしくてほっこりします。高校生になると先生のコメントもついているので、ちょっと気が引き締まります。そして、大学生の頃の練習日誌は細かすぎて読むのが疲れます(笑)

筑波大学という環境ゆえ、自分の専門種目に関して科学的に向き合うこと(向き合おうとすること)はとても多かったですが、やることは地道で情報を集めて振り返るという作業の繰り返し。自己分析は好きだったので、細かい作業も苦にはなりませんでしたが、よくやってたなと当時の自分に感心します。

今のようにスマホがあったわけでもなく、オンラインでファイルをクラウド管理できたわけでもなかったので、とても時間のかかる作業でした。図書館に行って本をコピーして、手書きでまとめる。パソコンを手に入れてからは不慣れながらオフィスを使って情報整理するなど、コツコツやる作業がほとんど。だいぶ整理して手元にあるものは随分少なくなりましたが、今でも参考ペラペラ見返すことがあります。

今思えば、地道な作業でしたね。非効率的に思えるかもしれませんが、それが本来的な勉強方法なのかなとも思います。現代はなんでも簡単に調べられる時代なので、言ってしまえば情報が軽い!高価な専門書が手元になくてもネットで似たような情報を得ることは簡単です。ただ、情報の質も責任も全然違うので、なんとなく納得したつもりでいても、腑に落ちないものってたくさんあるんですよね。

デジタル世代として生まれ育った子たちは、ある意味かわいそうだなと思うのですが、情報の取捨選択能力がないと本物に触れないまま大人になってしまう可能性があります。子どもは適応能力があるので、お節介なおじさんが余計な心配をしなくてもいいのかもしれませんが、少なくとも自分が関わる子どもたちに対してはきちんと本物に触れて、肌で感じる経験をたくさんさせてあげたいですね。あるいは本人がそういう行動をとるように働きかけようと思います。

コツコツ書き続けたブログがちょっとづつ溜まってきているのですが、僕は自分の経験を軽く話したくないですし、自分で感じたものをきちんと伝えていきたいと思ってます。非一流アスリートですけど、陸上競技を通して人間形成さらた以上、そこを抜きにして物事を語ることはできないなと思っているので、ゆるく長くお付き合いいただけたら嬉しいです。

■関東インカレ

2年生になって最初の学校対抗戦が関東インターカレッジ。関東インカレとも関カレとも略され、関東の大学で陸上競技をやる人間にとっては多くの人が目標にする重要な大会です。幸運にも大学2年の頃からずっと出ることができましたが、大した成績も残せなかったので、縁起のいい大会とはいえず、それどころかレース中に転倒して骨折した苦い記憶すらあります。そのお話はまた今度ですね。

大きな大会なのに、自分のなかでも印象が薄くてどんなことを考えていたのかなと思って、昔の練習日誌をパラパラとめくってみるとこんなことが書いてありました。

緊張して空気に飲まれてしまった
自分の力を十分に発揮できず、ズルズルと遅れた
気づいたら集団から離されていた
出し切れない感じががした

などなど。こういう煮え切らないレースは悔しさが爆発することも、喜びで大騒ぎすることもない「凡レース」になってしまうんですよね。後にも先にも繋がらないレース。結果は自己ベストより2分以上遅いタイムでした。

その一方で、筑波大学は短距離、跳躍、投擲と優秀な選手がたくさんいたので、陸上競技部としてはとても強いチームとして今も昔も一目置かれる大学です。チームのメンバーが「優勝」「入賞」と活躍していく様子を身内の話として盛り上がることができたのは大きかったです。男子は学校対抗で総合2位、女子は優勝(1993年からずっと勝ち続けている常勝軍団)。すごい成績です。

勝つ人、勝つチームは当然ながら、目線感が違って「勝って当然」「どうしても勝ちたい」という目線で物事を考え行動していきます。チームの中にもそれは伝染していくので、勝てていなくても「勝つ人間の目線」のにいる短距離、跳躍、投擲ブロックの子たちはすごくいい練習をしてました。長距離もそういう目線感でもっと競技に打ち込めればよかったのですが、長距離パートとして結果を出せていなかったこと、自分たちは箱根駅伝を目指しているというこだわりのため、チームのなかで浮いていたような気がしています。

今振り返れば勿体無い・・・

■気持ちの差が生んだ成長の差

当時の練習日誌にはゴール後に国士舘大のある選手のことが書いてありました。僕のちょっと前にゴールした選手で僕と同学年。わずかに僕が負けたのですが、しきりに他のチームの選手の結果を気にしていました。「筑波大のあいつ(←僕のこと)には勝った!」という声もきこえて、「あー僕のことだな」とすぐに分かりました。ゴール後、結果が出せずに僕は意気消沈していたのですが、その子は全然違いちょっとの差にこだわっていました。勝負の世界なので、どの位置であっても競っている相手に勝つことはすごく大事です。ただ、結果が悪いときはなかなか冷静に振り返ることができません。

結果的にその後どうなったかというと、その選手は2年生は当時10000mの自己ベストが30分17秒でしたが、3年生では29分37秒、4年生では28分49秒まで記録を伸ばしていました。同じくらいのレベルの選手と思っていたら、2年後には大学トップ選手になっていました。

気持ちが変われば行動も変わる、行動が変われば結果が変わり、運命が変わるってことです。僕の青春時代は陸上競技に育ててもらいましたが、自分が経験した成功体験や失敗体験だけではなく、周りの選手から学ぶことも多かったなと思います。

今のメンタルのまま体と年齢が若返ればどんなにいいことか(笑)スポーツでも勉強でも日常生活でも、みな一度は考えたことがあるタラレバでしょうね。

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