セカンドキャリア-001

SNS発信はアスリートの人間形成に繋がるのではないかと考えた話〜大学生㉒〜

このnoteを10年後にみたらどんな感想をもつんだろうなぁ。。。

ふと考えてみた素朴な疑問です。

今書いているnoteは「自分の半生を振り返る棚卸しブログ」という位置付けでスタートしました。ただ、出来事だけの羅列というよりもむしろ、その当時を振り返って今の自分が思うことを書くので、正確には「今の自分が当時の自分を振り返ったときに感じていること」の記録なんですよね。それは今だからこそ思うことであって、当然10年後、20年後は違うことを思ったり考えたりするでしょう。これから迎える将来をどう過ごしたかによって、昔の自分の見え方は変わってくると思ってます。10年後、20年後にこのnoteをケラケラ笑ったり、ふむふむと頷いたり、ポロリと涙したり、、、そんな風に読めたら何だか幸せな気分になりそうです。

なんだかタイムカプセルに似ていると思いませんか?ふと考えたことでした。

■練習での緊張感

秋の予選会のことを考えると夏は正念場。その前の6月、7月あたりは夏をどう過ごすかという意味で大事な準備期間になります。春は非常に伸び悩み、記録がなかなか出なくて歯がゆい思いをしました。貧血の影響もありましたが、きっとそれだけじゃないんですよね。チームを比較するわけじゃないのですが、1年生の時に感じていたチーム全体の勢いみたいなものがなく、それぞれが個で動いているような感覚がありました。生ぬるいわけではなかったのですが、かと言ってピリッともしていない感じが結構あったと思います。

それを敏感に感じ取っておたのはサイジョーさんでした。
※サイジョーさんのはなしはこちら↓

サイジョーさんについて少し補足すると、もともとは拓殖大学の駅伝部の選手でした。成績不振でチームーをクビになってからは自分で走っていて、それでも走ることへの情熱が消えずコーチの勉強をしようということで筑波大学の大学院に進学し、その時に女子チームのコーチをやることになったようです。サイジョーさんが見ていたときに全日本大学女子駅伝で日本一になってます。酔っ払うとよく昔の話をダラダラ話してくれました。

学生と目線感が似ていて(というかむしろ一緒 w)いろんな相談もできたし、コーチと選手というような上下関係がなくて楽しかったです。

そんなサイジョーさんに「お前らは甘い!」と練習前に一蹴されたことがありました。その日のメニューは2000m×3というインターバルだったのですが、設定(5分50秒)を少しでも越えたらやり直し!しかも内容次第では翌週の試合には出さないという条件がつきました。練習の緊張感が一気に高まり、ドキドキしながら練習に臨み、心臓をバクバクさせながら必死に走りました。その時は本当に集中してたし、練習の雰囲気も一気に締まった気がします。結果的には3本とも5分50秒をクリア。メニューのやり直しもなければ、試合への出場も認められました。

こういうピリッとした空気感は意図的に作らなければできません。そして学生主体でやっていると無意識的に生ぬるくなりがちです。メニューを作る人間とやる人間が一緒だと甘えも出てしまいますからね。そう言った意味でコーチの存在というものはとてつもなく大きく、そういった存在に頼ることは必要善だと思います。

サイジョーさんも常に練習を見ることができる立ち位置ではなかったので、「点」で良い練習ができてもそれが「線」で結びつかず、「面」にも「立体」にもなりませんでした。

■バカになれ

当時、サイジョーさんからよく言われていたことは

「お前らはもっとバカになれ」

でした。人のことを「お前」って言ったり「バカ」っていったりするのは好みじゃないですが、その点に関しては言及しないでください笑

考えることは大事、データを分析することも大事。でも体を資本にして競い合う陸上競技というスポーツだからこそ、走らないことには何も始まりません。そういった意味であれこれ考えずにとにかく走れ!バカになってひたすら体をいじめてみろ!っていう意味が込められていたのだと思います。

夏合宿では2kmの山登りインターバルを10本やりました。下りもジョグで下りてきたので往復4km、インターバルの総走行距離は40kmになります。この練習は本当にきつかった、、、途中からあれこれ考える余裕もなくなり、とにかく走らないことには終わらないので先のことを考えずに一本一本地道にこなしました。

うん、バカになってたな自分!

夏合宿はきつかったけど、自分のなかでとても大切なことを感じた合宿でもありました。サイジョーさんの「バカになれ」は今でもよく覚えてますからね。

◾️24時間リレーマラソン

当時の合宿の仕上げが24時間リレーマラソンでした。リレー形式で24時間誰かが走り続けるという大会です。今では各地で開催されていますが、当時はまだ珍しく、こんな大会があるんだと驚いたものです。

チームは最少人数でメンバー編成しました。6人くらいだったような、、、もうちょっといたかな?とにかくひたすら走り続けました。

明るいうちはレペティション状態。一本一本全力で走って追い込み、夜になったらひとり90〜120分くらい担当して、ペース走で時間を消化させるような作戦でした。

はじめての経験だったので、身体がどんな風に変化していくかも分からず、最初からガンガン走りました。当然だんだん苦しくなってくるのですが、走るしかないのでとにかく夢中で自分の担当区間をこなしました。しかも、途中からチームの仲間が脚が痛いと言い始めるので、それも元気なメンバーで巻き取りました。走る時間がどんどん長くなる。。

うん、バカになってたな自分!(2回目)

■元アスリートの発言が人に与える影響

ちなみに、もともと実業団にいたある選手が市民ランナーのチームのメンバーに入っていました。超高学歴でありながらトップ実業団に入った選手として雑誌にも取り上げられていたので、僕はよーく知っていました。そん人だとわかった瞬間に、驚くと同時に、こんなところで会えるなんてととても嬉しく思ったことをよく覚えています。そして、その人の後ろについて走ってしまったんですよね。幸せな時間でしたよ、最初のうちは。。。

不穏な空気が流れたのはしばらくしてからでした。急に前を走るその方がブツブツ何かを言い始めていたので、耳を済ませると

「邪魔なんだよ、うざいんだよ。なんで俺についてくるんだ、一人で走れ!」

とピシャリ。僕のことは一ミリも見ていませんでした。目を合わせるのも煩わしかったんでしょね。僕は若気の至りです。というか、単純に中学生の頃からすごいなと雑誌で見て憧れていた選手だっただけに、ものすごくショックでした。「すみません」と謝って後ろに下がりましたが、しばらく心臓のバクバクが止まらなかったです。

スポーツで注目される立場になれば、それに見合う言動は必須だと思います。少なくとも「ファン」は大事にしてほしかったなぁ。野球やサッカーなどプロリーグがあって、年間を通して試合があるスポーツでは常に見られている意識が働き、言動は自然と注意するようになると思います。でも、陸上競技の場合は注目される試合なんてそう多くはありません。年に数回くらいです。しかも、自分と向き合ってコツコツトレーニングするようなスポーツとあらば、他人からどんな風に見られて、自分の言動がどんな影響を及ぼすかは考えなくなっちゃうかもしれません。

アスリートのセカンドキャリア形成のために、SNS教育を現役時代に受けておくことはとても大切だと思います。そして、世の中や他人に注目を与える存在の時にSNS発信を正しく行なっていくことは、そのアスリート自身が他人からどういう風に見られるかを意識することにも繋がるのではないかなと思います。

自分自身の振り返りブログが落ち着いたら、スポーツ選手のセカンドキャリアに関しても書いてみようかと思ってます。

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