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各々の正しさ【ビジネス×制度×行政】

面白いことがあったので書きます。(大風呂敷感)

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先日、ある行政担当の方から電話をもらいました。

「先日提出していただいた”¥$△”っていう書類なんですけど、金額が〇〇106円との記載があったんですけど、〇〇116円ではないかと・・・御社で確認をしていただいても宜しいでしょうか?」

非常に丁寧な対応でした。
さすが行政、しかもお金を管轄する部署にいる方なので、文言に抜け漏れがないです。

ー僕:なるほど!ありがとうございます!もし、修正があった場合はどのような対応になりますか?

「はい!ありがとうございます!えー、修正して頂いた書類は差し替えになりますので、持って来て頂くか郵送で送っていただければ大丈夫ですよ!」

えっ・・・

ーえーっと、持参か郵送ですか?

「はい!郵送で大丈夫ですよ!(爽やか)」

ー・・・はい。わかりました。(死んだ魚の目)

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この話、僕と同じ感覚持った人いますか?

もちろん、書類に不備があったということは、ほぼ100%作成者側の僕たちに非があります。
確認は責任を持って行う必要があります。

その上で、もしも持参するとしたら、社員が1人少なくとも1時間くらいかけて行くことになります。
郵送だとすると、数百円かかります。郵便局に行って手続きするのに30分、社員が行くことになります。
みんなの時給について言及するのは避けたいですが、そこそこの金額がかかります。

ついついそんなことを考えてしまいます。

ここには「それぞれに大切にしているもの」があることが良くわかるやりとりでした。

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ビジネスの”正しさ”

僕たちは、”構造上”資本主義の中でビジネスを「せざるを得ない」ので、経営の中に「採算」というものが入ってきます。
売上があり、経費があり、利益があります。
時間当たりにどれくらいの価値を出せるのかも、経営を追うための指標の一つです。

一方で、その正しさを考え、追求していく時間を考えればコストを払ってしまった方がいい。淡々とこなし、たくさんの時間を利用者さんや自分の自己実現のために使ったほうがいいと考える場合もあります。

もっともらしいことを言っていますが、ただ一つの正しさにしか過ぎません。

制度の”正しさ”

制度というものは「正しさを言語化する」ためのツールの一つです。

書類は間違いなく記入する必要があるし、間違えた場合は訂正して納める必要があります。
納めない場合は訴求して、納める状態にしなければいけません。
書類の内容は一言一句間違いがあってはいけません。

行政の”正しさ”

行政の担当者は、「制度を遂行するために、人的リソースによって過不足を補う」ための機能・機関です。

僕たちの代わりに数字を変えることはできないし、持参か郵送という決まった手段以外の提案をすることはできません。

一見すると「古臭い」ように聞こえるかもしれませんが、物事を滞りなく遂行するための「バランサー」としての役割は非常に大きいです。
特に先進国の中においても、行政の仕組みがここまで作り込まれていて、価値を創出している国はありません。

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ポジショントークをしようと思えば、「資本主義なんてダメだ!」「制度を根本から変える必要がある!」「行政の仕組みに問題がある!」と言えないことはないです。

しかし、それも含めて「人間と人間」だなあ、と面白く感じてきます。

違和感のあることはたくさんある世の中だけど、
それに向き合いつつ、受け入れつつ、
目の前の現実を変えていくことでしか成長はないんだなあと感じました。


<終わり>


シニアの方々が、主体的に・楽しく生活し続けられるよう、頑張ります!少しでもご協力頂けると幸いです。