第三話 〜運命の仕事、ヒト〜
【美容師への世界へ】
父がこの世を去り、いよいよ私が家を支えなければと
強く思うようになりました。
世の中は女性の活躍が目を引く1980年初頭。
資生堂や小林コーセーに、
「女性を取締役へ抜擢」
という文字が踊っていた時代。
元来、成功願望が強く
負けず嫌いの性分を母から受け継いでいる私。
女性が男性と分け隔てなく、いや、むしろ女性だからこそ活躍できる仕事を探していた私がそこにいました。
心の中では既に決めていた職業がありました。
そう、“私は美容師を目指そう!”と。