miyuki

93年生まれ、関東育ちの中部在住。フィンランドはオウルに留学しておりました。サラリーも…

miyuki

93年生まれ、関東育ちの中部在住。フィンランドはオウルに留学しておりました。サラリーもらって働くフィンランドマニア・モデルもする・文章書く人

マガジン

  • miyukichoの読んだ本

  • よみがえりマガジン

    賞やコンテストに応募したものの、残念ながら不採用になってしまった。けれど、私はとっても気に入っているんだー!!な文章を弔い、よみがえらせるための場所。私の感情の結晶のようなエッセイたち。

  • イギリスはマンチェスターで考えたことたち

    イギリス北西部の都市マンチェスターに1年間限定で住んでいます。生活の中で、イギリスについて、日本について、留学していたフィンランドについて、思いはせたことたちを文章にします。

  • フィンランド留学記

    フィンランドはオウル大学に留学していたときを思い起こして書く

最近の記事

有吉佐和子『悪女について』によせて

Good girls go to heaven, bad girls go everywhere. (いい子は天国に行ける、でも悪女はどこへでも行ける)。わたしの好きな名言のひとつで、『悪女について』を読んだあと頭に浮かんできた言葉だ。 この本の主人公は、突如謎の死を遂げ、さまざまな憶測とスキャンダルが飛び交う、美しき女実業家・富小路公子。彼女を知る27人の語りから、彼女の人生と死の真相が少しずつ明らかになっていく。 27人目の次男義輝の話が謎を解くキーとなる、と解説にも

    • 2021年、ままならない日々を、自分をいたわって生きる

      「新年は魔法ではない。」SNSでこの言葉を見かけたとき、私は半分ムッとし、半分納得していた。 お正月にはたしかに不思議な力があると思う。街にはどこか神聖な空気が流れ、年末に抱えていたもやもやはリセットされる。新しい一年をどう過ごそうか、あれこれ抱負を立てる。今年は本を何冊読もう、ストレッチを頑張って体をやわらかくしよう、新しい言語を勉強してみようか…。新年という区切りは、自分を奮い立たせて、新しいことに挑戦するよい契機になる。 でも、たしかに、魔法ではないんだ。去年までに

      • コロナが欧州で広がり始めた頃、イギリスで過ごした2020年の国際女性デー

        2020年3月8日。イタリア、スペインを中心にコロナウイルスの感染が拡大しはじめ、少し前まで「アジアの病気」だったコロナが、欧州でも脅威になりつつある頃だった。あの時期を欧州で過ごしたアジア人には、人種差別のまなざしを向けられるかもしれないことを不安に思っていた人は多かったと思う。私もその一人だった。そんなさなかにあった、国際女性デー。1年の時が経ち、曖昧なところもあるけれど、今思い出すことを素直に書き起こしてみようと思う。どうしても、今日書いておきたかったから。 マンチェ

        • 自分は天才だと信じていた、あの頃。

          小さい頃、自分は天才だと思っていた。いや、いまだに少しは信じているかもしれない。 しっかりと根拠があったわけではなく、昔から運動神経は悪かったし、朝は弱いし忘れ物は多いし、勉強はそこそこ得意なものの、学校で一番の秀才というほどではなかった。ただ、なんとなく「自分がなりたいと思ったもの、したいと思ったことは叶うはずだ」という、根拠のない万能感を持っていた。少なくとも、高校生くらいまではそう信じていたはずだ。大学生のときも、多少はそう思っていたと思う。 社会人になって、住む場

        有吉佐和子『悪女について』によせて

        • 2021年、ままならない日々を、自分をいたわって生きる

        • コロナが欧州で広がり始めた頃、イギリスで過ごした2020年の国際女性デー

        • 自分は天才だと信じていた、あの頃。

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        • miyukichoの読んだ本
          3本
        • よみがえりマガジン
          1本
        • イギリスはマンチェスターで考えたことたち
          5本
        • フィンランド留学記
          20本

        記事

          時差ぼけのリセットはヨーロッパで生きていたことを消していくみたい

          帰国して気づけば3週間も経っていた。故郷での時間は早く過ぎていく、気がする。イギリスから帰るのがあんなに嫌だったのに、日本に戻ってきてみればしっくりして、海外で働き、暮らしていたことのほうが夢みたいに感じる。 帰国してからの2週間は、検疫フルコースを経験することになり、home countryにいるのにhomeには戻れていないような、不思議な時間になった。羽田に到着して、検査を受けて、政府の指定するホテルで2泊3日検査結果を待ったのち、羽田空港のホテルで残りの2週間の自己隔

          時差ぼけのリセットはヨーロッパで生きていたことを消していくみたい

          お家時間で新しい言語を学んでみよう

          在宅勤務を始めて、はや2カ月。出かけられる場所もなくて、スマホを見る時間が増えるばかり…。誰もが選んでこの状況になったわけではないのだから、「生産的に過ごせてない!」と自分を責める必要はないと思うのです。 でも、「せっかく時間があるし、何か新しいことをしたいな」と思っているあなたに、新しい言語を学ぶことをおすすめしたいです。 わたしは今年の頭からスペイン語の勉強をはじめ、この外出禁止期間中もちまちまと続けています。(毎日できてはいないですが…) お家時間に新しい言語を学

          お家時間で新しい言語を学んでみよう

          イギリスの終戦記念日がハッピーすぎて戸惑った話

          5月8日。イギリスのテレビは、一日中VEデーを祝う特別番組であふれた。そもそも、VEデーってなんだろう? VEデーとはヨーロッパ戦勝記念日 (Victory in Europe Day)のことで、「第二次世界大戦において連合国がドイツを降伏させたとして、ヨーロッパにおける勝利を記念する日」である。75周年に当たる今年は、イギリスでは同じ週の月曜から休みを移動させて祝日になっていた。 今年、私がイギリスでVEデーを過ごして驚いたことが2つある。1つは、「ヨーロッパでは3カ月

          イギリスの終戦記念日がハッピーすぎて戸惑った話

          ロックダウン下のイギリスで、ご近所の絆が深まっている その1

          3月16日に不要不急の外出を控えるよう促すガイダンス、その一週間後の23日、外出禁止令が出され事実上のロックダウンが始まったイギリス。食料品、医薬品などの生活必需品の購入と、通勤、1日1種類の運動以外の目的では外出が出来なくなった。私は18日からすでに在宅勤務を始めていたので、外出禁止令が出てからもそれほど大きな変化はなく、アパートで一人、引きこもり生活を続けていた。 私のアパートには常駐の管理人さんがいて、不在時に荷物を代わりに受け取ってくれたり、生活の中で困りごとがある

          ロックダウン下のイギリスで、ご近所の絆が深まっている その1

          イギリスのテレビの中の多様性

          イギリスのテレビを見ていてふと、気づいたことがある。それは、さまざまな番組において、とても自然な形で、出演者の多様性が担保されていることだ。わたしが「自然な形だ」と思うのは、例えば障害者や性的マイノリティの人々が、「マイノリティであること」を理由に、その部分が注目されてテレビに出演しているのではないことにある。 彼らが、ごく当たり前に社会で生活しているのと同じように、ごく当たり前にテレビというメディアに参加しているのが素敵だと思うし、日本のテレビの中でいかに彼らが可視化され

          イギリスのテレビの中の多様性

          世界共通言語ではない、「イギリス語」としての英語に出会う

          「私の知っている英語と違う…」昨年秋にイギリスに来て、現地の人と話す中で「私の知っている英語と違う…」と思う瞬間が何度もあった。簡単な、中学英語で習った挨拶ですら、自分の知っている使い方とちがって衝撃を受けた。 私は大学生のとき、フィンランドで1年間交換留学をした。現在の自分の英語力のほとんどは、その時期に築かれたといっても過言ではない。私の話す英語は、「世界共通言語」としての英語、あるいは「最大公約数的」な英語ともいえる。世界共通言語としての英語を話すとき、1番の目的は、

          世界共通言語ではない、「イギリス語」としての英語に出会う

          吉本ばなな『哀しい予感』によせて

          高校生の頃から、私はよしもとばななさんの本が好きで、とくに「キッチン」と「哀しい予感」は何度か読み返してきた、お気に入りの本だ。今回、帰省の新幹線道中のおともに、久しぶりに「哀しい予感」を手に取った。 以前、読んだときの記憶はすでに曖昧で、残っていた印象は「主人公がおばさんの家に住む話。そして、かっこいい男の子が出てくる話」だということ。そのイメージを持ちながら、読み始めた。 次第に、主人公よりも、ゆきのに感情移入して読み進めている自分に気が付いた。主人公の弥生は19歳。

          吉本ばなな『哀しい予感』によせて

          フィンランド留学記#20 フィンランドの国民的スポーツといえば

          日本において、野球やサッカーは「国民的スポーツ」だといえると思う。広く世間話として、地元の球団やサッカーチームの勝敗の話題が出るし、試合の様子がテレビで放送されることも多い。わたしはどちらのスポーツのファンでもないけれど、日本のプロ野球・Jリーグにどんなチームがあるかは大体知っているし、ルールも一応わかる。 フィンランドにおいて、その「国民的スポーツ」を担っているのがアイスホッケーだ。 アイスホッケーはとてもメジャーなスポーツで、とくに男子学生は体育の授業で取り組むのが一

          フィンランド留学記#20 フィンランドの国民的スポーツといえば

          フィンランド留学記#19 フィンランドの夜の遊び方 後編

          前編では、オウルのシティセンターでの遊び方をご紹介した。 後編では、寮やお家で遊ぶ場合をご紹介します! 1 シティセンターのクラブに行く 2 シティセンターのバーに行く 3 クラブハウスでパーティ 4 宅飲み / ホームパーティ 5 寮でガールズナイト 3 クラブハウスでパーティパーティといえばクラブハウスがテッパンだった。 大学周辺(寮の周辺)にはいくつかクラブハウスがある。ウェブサイトから予約しておくと、小屋を貸し切ることができる。キッチンがあるので料理をすること

          フィンランド留学記#19 フィンランドの夜の遊び方 後編

          フィンランド留学記#18 フィンランドの夜の遊び方 前編

          フィンランドの夜は早い。 とくに冬は、あっという間に暗くなってしまうし、お店も夕方にはだいたい閉まってしまう。大学生が大好きな居酒屋もなければ、飲み放題もない。 さて、夜は何をしよう。 わたしのナイトライフは、この5パターンだった。 1 シティセンターのクラブに行く 2 シティセンターのバーに行く 3 クラブハウスでパーティ 4 宅飲み / ホームパーティ 5 寮でガールズナイト ひとつひとつ、解説してみよう。 1 シティセンターのクラブに行く留学生鉄板の過ごし方。

          フィンランド留学記#18 フィンランドの夜の遊び方 前編

          フィンランド留学記#17 2つのオーロラ

          初めての経験やものごとの始まりは、記憶に残りやすい。 フィンランド北部の街・オウルに留学していたわたしは、10カ月の留学期間中に何度かオーロラを見ることができた。なかでも、人生で初めて見たオーロラと、その翌日に見たオーロラのことは、はっきりと覚えている。 10月6日、1つめのオーロラ 人生初のオーロラは、デルフィンと住んでいた、シティセンターの家の窓から見たオーロラだ。 それまでにも、うっすらと白いオーロラのような影のようなものを見たことはあったけれど、こんなにも明る

          フィンランド留学記#17 2つのオーロラ

          フィンランド留学記#16 安全な国でも怖いことは起こる

          フィンランドは比較的安全な国だ。友達が大学構内でなくしたお財布が、ちゃんと手元に戻ってくるくらい、治安のいい国だ。それでも、1年間もいれば怖い思いをしたこともあった。 これまでにも留学中に「ちょっと怖い思いをした経験」は、紹介してきたけれど ◼️ヘルシンキでお兄さんに絡まれた話 ◼️バスでおばあちゃんに怒られた話 今回は、留学中でいちばん身の危険を感じた出来事を紹介したいと思う。 時期は留学後半、雪の日のこと。当時は、大学とシティセンターの間にある寮に住んでいて、大

          フィンランド留学記#16 安全な国でも怖いことは起こる