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初めて救急車に乗った話

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。今回のテーマは「#もの申す」です。


深夜2時。
気のせいかと思おうとしたが、やっぱり痛い。圧迫されるような苦しさと痛みが胸全体、いや喉の方まである。なんだこれ、布団もかけられないほどだ。息苦しさや動悸もある。
もしやもしや…
私の祖母もかつて心筋梗塞をやっている。発作が起きた日、自力でかかりつけ医のところへ歩いて行ったのだが、そこでみるみる具合が悪くなり意識が遠のき大きな病院へと搬送されたのだ。
家族歴があると、心筋梗塞のリスクは格段に上がると聞く。
祖母も母も叔母もみな高血圧だ。
40近くなり私も突然血圧が上がり始めた。
背格好は父親にそっくりな私だが、母方の体質をしっかり受け継いでいるようだ。ここへ来て改めて遺伝子のすごさを感じている。
なんて遺伝子に想いを馳せている場合ではない。なにせ私はおひとりさま。症状が悪化して動けなくなったりしてからでは、万事休す、てやつになる。
救急車?呼んだことない。ハードル高すぎる。
そこでまずは救急車を呼ぶか相談できるダイヤルに電話してみた。
なんと。
「ただいま電話が混み合っております」
となかなか繋がらない。
困る。非常に困る。
ネットで検索すると割と緊急性がある気がするぞ。
えいや、と119番してみた。
初体験。
まず住所と名前を聞かれた。
意識が朦朧としてる人もいるからまずはどこまで助けに行くべきなのか聞くのだろうな。親切。
それから症状やら連絡先やら聞かれて、 
「向かいます」
といったん電話は終わった。
ほどなくして向かってきてくれている救急隊員から電話があり、症状についてさらに詳しくヒアリングされる。
「付き添いの方はいらっしゃいますか」
そっか、こんなとき駆けつけてくれる人が身近にいないなあ。
ピーポーピーポー。あーサイレン鳴ってる。てこれ私が呼んだやつ。
一応着替えてメガネをかけて服用中の薬や健康保険証を用意しておいた。
ほどなくして救急隊って感じの宇宙服みたいなのを着た3人組が担架を持ってやってきた。
深夜に知らない男性を一人暮らしの部屋に上げるのはなんか怖い。
なんて一瞬思ったのだが、救急隊員の無駄がなくすごく丁寧な対応といったら。無料の公的サービスなのにサービス業のよう。体温や血圧を測ったり瞳孔の状態を見られたりまた持病や病状をヒアリングされたあと、その場で搬送先の病院を探してくれた。病院へ私の状況をを説明したあとこう付け加えた。
「イシキレベルセンメイ」
そうなのよ。担架に横たわっている私だが、多分歩こうと思えば歩けそうな気がしている。
申し訳ない。余裕あるよな、私。救急車呼んでよかったのかな。もっと一刻を争う人のものなんじゃ。
おっと病状が急変したら大変。意識が鮮明なうちに、と「胸痛くなってこれから病院」と救急車内で親友と彼氏にラインしておいた。
担架に横たわり救急車内でスマホをいじるイシキレベルセンメイな私に救急隊員はもの申したかったかもしれない。

文:べみん
編集:アカヨシロウ

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