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工藤吉生(くどうよしお)の短歌・3ヶ月ごとのまとめ

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工藤吉生(くどうよしお)の短歌。制作期間3ヶ月ごとのまとめ。投げ銭方式ですので、無料ですべて読めます。
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#ことば

工藤吉生(くどうよしお)の短歌まとめ・第二十三期【2017年1-3月】20首

工藤吉生(くどうよしお)の短歌まとめ・第二十三期【2017年1-3月】20首

「未来」二年目。四年半つづけた短歌研究「うたう★クラブ」への投稿をやめた。「公募ガイド」初掲載。「仙台っこ歌壇 俵万智賞」準賞受賞。

〈1〉
十一月下旬の大気に含まれる何かを吸ったオレのさびしさ

〈2〉
おみこしになって元気な人達にかつがれたいな年に二回は

〈3〉
妄想は百万本の紅い薔薇をバルコニーから見下ろしている

〈4〉
つらすぎて笑っちゃうよというふうに朝の車道を枯葉ふらつく

〈5

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工藤吉生の短歌【18】2015年10-12月〈20首〉

工藤吉生の短歌【18】2015年10-12月〈20首〉

83首を発表。「NHK短歌」一席。角川全国短歌大賞
で特選。「塔」退会。「未来」入会、彗星集に参
加。

〈1〉
本来は目立つ色だが時を経て自然な色の安全の旗

〈2〉
入り口の五から喪服の男性が出てきて朝に向け口ひらく

〈3〉
石ころを懐かしい気持ちで蹴れば軌道いじけて脇へ逸れゆく

〈4〉
追い越していいよっていうスピードに落としてあげてもうだいぶ経つ

〈5〉
楽天の銀次が打席に立つ時の何

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工藤吉生の短歌【13】2014年7-9月〈20首〉

工藤吉生の短歌【13】2014年7-9月〈20首〉

【第十三期】2014年7-9月。61首発表。
河野裕子短歌賞「愛の歌・恋の歌」部門で入選〈11〉。
現代歌人協会主催・全国短歌大賞で佳作第一席(田村元選)。
短歌研究新人賞で候補作に選ばれた〈13-20〉。

〈1〉
ズダラニズダラズラブニフ袋から取り出すダラズラブニフ愚か

〈2〉
ばらばらのブラスバンドの練習のそのばらばらに聞き入って春

〈3〉
これほどの歯痛に耐えているオレに世界はいやらし

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工藤吉生(くどうよしお)の短歌【8】2013年4-6月〈20首〉

工藤吉生(くどうよしお)の短歌【8】2013年4-6月〈20首〉

【第八期】2013年4-6月。42首を発表。
「NHK短歌」へ投稿を開始。山形での歌会に参加。
結社から歌集評の執筆依頼を受けた。これが初めての原稿依頼。

〈1〉
とりあえずビール運ばれとりあえず生きてるオレはカルピスを飲む

〈2〉
エアリプのつもりだろうか相手する気にもならんと入力し消す

〈3〉
道場で揃って受け身をとっている透明選手の透明投げに

〈4〉
四種類小袋つけば面倒なカップ麺だ

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