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【阿久根】僕が鮮魚店という風景(商い)を残したい訳

定時の終業時間は17時15分。

インスタ映え夕焼けが気になりつつも、自宅玄関に荷物を放り込み、財布から取り出した裸の1,000円をポケットに突っ込んで、18時前後に閉まってしまう武宮鮮魚店へ。

「今日は魚が食べたいのだ!」

とその理由は自分でも良く判らないけども、ややテンションが高まった感じでお店に急ぐ。

店先には魚ごとのケースが並んでいる。鮮魚店は漁師と一蓮托生。海が時化れば、魚は獲れず、お店に魚は並ばない。ここ何日か天気が良かったこともあり、今日はケースの数が多い。

今日のラインナップは・・・

刺身に出来るサイズのイワシ、今が旬だ。イサキもいいサイズ。恐可愛いブダイが2匹こっちを見てる。阿久根のソウルフィッシュと仲買人さんから教わった。関西、関東のスーパーではまず見ない魚。見た目は良くないが旨い。特に切り身のフライが美味しい。フィッシュバーガーに使われているあれとは比べ物にならないと思う。カマスも旨い。塩を振って焼くだけで旨いから楽でいい。アカハタもマダイも入ってる。ただこれは高級魚だし、二人家族には大きいので今日はパス。カワハギは好きだけど、この町に来てからは色々食べたい魚が増えてしまって、最近はご無沙汰。他にもイセエビにも負けない味わいのウチワエビ、阿久根といえばのタカエビ(薩摩甘エビ)も並んでいる。

色んな知識、ウンチクもここで教えて貰ったし、それ込みでこのお店が好きだ。

・・・で問題は、今日どれにするかだ。

お腹は一つ(家で待っているハラペコを合わせれば二つ)だから、選ばなくてはならない。

「どうしようかな~。」

昼はラーメンを食べた。昨日はそう言えば釣ったアラカブで出汁を取って、クックパッド先生に教わり、フライパンパエリアをした。あれはかなり旨かった。機会があったらイタリア、スペイン好きの友人Sにも振る舞いたい。

とういうことで今日は和食にしよう!

まだ買ったことがない魚は・・・?そう言えば、生のイワシまだ買ったことないな。

「イワシどうですか?」

とお父さんとのタイミングを見計らってお母さんに聞いてみた。

ちなみに話は少し脱線するが、お店に着いてから、陳列されている魚を眺め、どれを買おうかと悩んでいる間、僕はお店の隅で腰かけている店主のお父さんの横のイスに一旦座り、「最近どうしてる?」とか質問されたり、阿久根の方言クイズとか出されたりして、談笑しながらも「魚、今日の魚どうする~!?」と考えている状況。

「刺身がオススメ。タタキにしてもいいんじゃない。」

そういえば、以前に地元のお寿司屋さんで食べたイワシの刺身が物凄い美味しかったことを思い出した。生魚なのに旨みをしっかり感じた。ということで今日はイワシに決まり。大きい魚はお店で下して貰うけど、イワシなら自分で出来そうと思い丸魚で購入。

「小葱と生姜と合わせてタタキを作ろう!」

↑ 美味しくいただきました!

鮮魚店だけでなく水産業界全般では、一般的に若者に対しての就業はネガティブなイメージが強いです。でも僕は、人を喜ばせることが出来る商いこそが仕事になれると思っているし、鮮魚販売はお金儲けのやり方を含めてまだまだ面白いことが出来そうだとも考えています。

例えば、鮮魚店をしながら横でワインバルをしたらどうかとか、ハーブや野菜も販売して、有名なシェフとコラボした魚のメニューセットを販売するとか。そういうお店をやってくれる人がデザインも出来る人だったらなおいいよねとか。

これまでのやり方だけではなくて、何かをプラスしてみる。楽しそうじゃないですか?

そんな企みをニヤニヤしながら語れる仲間にドラフト会議で出会えたらと思ったりしてます。


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