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大河ドラマ「光る君へ」第11話~古今和歌集を考察する

こんばんは、もちまるです。

今日も「光る君へ」の感想を書いていきたいと思います。
ネタバレありますので、ご注意ください。

今回は、倫子サロン(勝手に名付けた)が出てきましたね。
源倫子さんのおしとやかな平安女子感たまりません。
そして、赤染衛門さんのかっこいいこと。
才気あふれて教養に満ちていて素敵ですね。

今回、倫子サロンでは『古今和歌集』の和歌が紹介されていました。

前回も『古今和歌集』からの引用が多かったですが、今回も『古今和歌集』からの登場です。

君やこむ 我やゆかむの いさよひに まきの板戸もささず 寝にけり

690番 読み人知らず 笠間文庫『古今和歌集』より

あなたが来てくださるかしら、私が行きましょうかと今出ている十六夜の月さながらのためらいで、真木の板戸も閉ざすことなく寝てしまいました。

笠間文庫『古今和歌集』より

前回の記事でも書きましたが、『古今和歌集』の恋の巻では、巻の数が進むほど恋模様が進展している様子を表しています。

今回の和歌は恋歌四の歌なので、ずいぶん恋模様が進展している時の和歌の様子。
(恋歌の部は一から五まであります)

主人公のまひろは、この和歌の詠み手は「寝ていない」と解釈しています。
寝てしまったことにしないと自分がみじめになるから、
という解釈らしいのです。

なるほど。
ずっと恋しい人を待っていて、寝ずに夜が明けたと歌を詠むより、寝てしまったと詠む方がみじめにならない気がしますね。

さすがの解釈です。

この和歌が詠まれた背景というものは、詳細には分かりませんが
平安時代には「通い婚」も多かったといいます。

つまり、夫が妻の家を訪れる場合も多くあったことでしょう。

今のようにスマホもLINEもない時代ですから、
夫がいつ妻のもとに訪れるのか、分からないことも多かったのではないでしょうか。

和歌の女性は、「あなたが来るか、私が行くか」という状況なのでただ待つという状況ではなさそうですが、いつ相手が来るか分からないのはヤキモキするもの…

「待つ女性」が多く描かれるのも平安文学の特徴です。

一夫多妻制もあったと言われる平安時代ですから、
「今晩私のもとにあの人が来ないということは、別の女性のもとに行っているのかも…」など憂鬱になることもあったでしょう。
(女性の嫉妬は『源氏物語』が代表的ですね)

そんな事を考えると、現代に生きていて良かったなぁなんて思います。

ちなみに、和歌中の現代語訳でも出ている「十六夜月」について意味を調べてみました。

陰暦十六夜の月。満月の翌晩は月の出がやや遅くなるのを、月がためらっていると見立てたもの。

「コトバンク」より https://kotobank.jp/word/%E5%8D%81%E5%85%AD%E5%A4%9C%E3%81%AE%E6%9C%88-431854

こういった月の様子なども和歌の一つの風景となる、
何だかロマンチックで素敵ですね。

ただ、和歌の表面上だけをなぞって解釈するのではなく、
まひろのように和歌の裏に隠された心情までも読み取れるようになれたらいいなと思うこの頃です。

和歌の解釈はこんなところで…

まひろと道長、悲しい結末になってしまいましたね😭
見ていて心が痛かったです。
正妻か妾か、非常に難しい問題です…
来週からどうなるのかも楽しみですね。

今回もこちらのサイトを参考にしました。
『源氏物語』とも関係の深い『長恨歌』も取り上げたいところでしたが、余力オーバーでした、、

併せて、楽しい記事を見つけました。

記事にもありますが、ファンミーティングの模様は4月7日(日)の17時30分から、NHK総合で放送されるようです。

録画予約を忘れがちなのですが、忘れぬように…
楽しみが一つ増えました😊

それでは今日はここまで。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。




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