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ヒストリエ(著:岩明均)【読書紹介がバカウケして書記官になれたが、なんで面白いのかが未だにわからない。文化が違う】

「寄生獣」を描いた岩明先生のライフワーク的なマンガ。
とにかく次巻が出るのに時間がかかる系。
高河ゆんのラブレス、永野護のファイブスターと並べるくらい御三家の読者を待たせるシリーズです。
(皆さんが想像したやつは別格なのでここには入れませんよ)
ライフワークって気が長くないと読めない。
もし皆さんがウスバカゲロウとか一年草とかだったら、挑戦しない方がいいです。
人生60年でも危(検閲済)

しかし面白くはあります。
今から参入するとまとまって読めるし絶版はしてないし、美味しいんじゃないですかね。

歴史マンガです。古代ギリシアの時代。
主人公はエウメネスという青年。
誰かというと、アレクサンダー大王の書記官。
そして大王死後の後継者戦争では、あと一歩なところまで進めた将軍。
日本史で言うと明智光秀みたいなポジション。
つまり天下は取れなかった人ですね。

ただ書記官時代は歴史家が頼りにする一次資料の執筆者であることが多く、書かれる側ではありませんでした。
アレクサンダー研究においては、資料としてこの人の書いたものに頼らざるを得ない面が多々あります。
後継者戦争では逆に書かれる側になります。その時代では彼自身が一次資料を書くことはもはやありませんでした。

そんなエウメネスの少年時代から始まる本作は、どちらかというと当時を背景にした冒険マンガ的な趣で、歴史そのものに迫る感じではありません。
巻数が進むとついにカイロネイアの戦いとか出てきますが。
歴史の中心にフォーカスを合わせるというより、少しずれた場所に視点を合わせてくる作品です。
当時の時代背景を元に、彼が世界の中心とは少しずれた場所を冒険していくのが、読者にとっての楽しみとなります。

ただ、おそらく後々の伏線なのですが。
イケメンで才能に恵まれ、戦えば強く、気は優しくてコミュ力も高い。
そんな彼は異性にもモテモテ、のはずなのですが、どうもトラウマを抱える設定になるようです。
好きな女をどうしても守れない。あるいは、手放さなくてはならない。
すべてを持ちながら、愛にだけは恵まれないという伏線がビシバシと張られています。

まあ愛に恵まれたら冒険しなくなっちゃうので仕方ないのかもしれない。

今後、この傾向は強まることはあっても、無くなることはないでしょう。
(後継者戦争でのエウメネスの政治的立場を考えると、そこまで引っ張るつもり満々だと思います)

難しい話はなく、なるだけ現代的な雰囲気の元に作られています。
現代の若者言葉みたいなのを多用してます。
読みやすいはもちろんのこと、親しみも湧きやすいです。

銀英伝みたいな言葉遣いからして現代とは違う雰囲気の作品とは対照的ですね。

次巻が出るのに時間がかかるシリーズなので、いまいち盛り上がりませんが、ネットミームにもたくさん引用されているようなので、注目度は相変わらずのようです。
そろそろ、盛り上がって来るんじゃないかな。と期待しつつ。
次巻を待ちましょう!

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