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灰羽連盟(著:安倍吉俊:2002年アニメ)【恐怖!!本当は読んではいけないアニメ感想は実在する!】

今回はむっちりネタバレをさせてください。というのもネタバレんと作品の良さを説明できません。昔の作品です。

こんな古い作品を紹介しても大丈夫なのか?
わかりません。
ただ当時、隠れた名作として騒がれていたのは確かです。
画質はほどほどに良くて、20世紀の作品と違い絵のざらつきを気にするほどではありません。
前13話と1クールの短い話です。

また当時は、いわゆるアニメ作品にアニメらしい感じがあった時代です。
なんというか萌え文化の最盛期というか。
だから実際の女性像とアニメの女性像に隔たりが大きく、アニメオタクが公然とキモイよばわりされてました。
今は、実際がアニメに近寄ったのか、それともアニメが現実に寄せてきたのか、それとも単に社会がそれに慣れたのか、そういう違和感は感じません。

では簡単な舞台解説を。

舞台設定はどこかにある「グリの町」で、灰羽と言われる天使みたいなのが、なぜか生まれてくる場所があって、折しも一体の灰羽が生まれたところから始まります。

天使の羽はあっても飛ぶことはできず、頭の輪っかはドーナツ製造機で作ったもの。
街にいって働かせてもらい、その日の糧を得て、
なぜか寺院みたいな場所に出かけて、
巡礼に来た人たちと会話してはいけない。羽の鈴で合図を知らせろと。
謎ばかりの異世界日常系アニメです。

正直、最初の方はアニメアニメした作品だなあ、と思っていました。

しかしここでも「タマネギの皮むき」が起こります。
これも6話くらいかな。イベントが起こってストーリーの流れが俄然かわります。

その後はまるで引き付けられるように視聴していました。

何の役にも立たない天使の羽と頭の輪っか。
どこからともなく繭から生まれてくる。

時間が経つと卒業してどこかへ消えてしまうこと。

巡礼に来た人たちと直接会話してはいけないこと。
鈴を使ってイエスかノーかだけで答えること。(手話だったかな?)
寺院の偉い人が、羽を模した飾りだけをつけていること。

でも中には罪憑きと言われる灰羽がいること。
羽には黒い染みが出来て、
罪憑きは卒業できず、いずれ羽が落ちてただの人間になること。
ただ、何かを思い出せばそれが消え、普通の灰羽に戻ること。

さて、じゃあこの辺からです。




































主人子のラッカが罪憑きになってしまいます。
自分なんていなくなっても誰も気にしない。
そう思ってしまうと、羽が黒くなってしまいます。

しかし主人公のラッカが罪憑きから戻れたのは、誰かが助けようとしてくれたのを思い出したからでした。
ひとりぼっちではなかった。

そして何かとラッカを助けてくれて、年長として面倒を見てくれていたレキも、実は罪憑きだったこと、レキはまだ何も思い出せてないこと。

ちなみに灰羽の名前は、目覚める前の夢に由来します。
ラッカは落下のラッカ。(異論はあります)
レキは礫のレキとされているけど、本当は轢死のレキ。

もうお分かりですよね。
でも作品世界内で直接それを示唆するようなセリフや説明は一言もないのです。
でもストーリーだけ追いかけていけば、そこに描写されているのが、冗談では済まされない深刻な話であることは、誰にだってわかります。

良質なフィクションの証、リアルよりもリアルな人間性の真実。
架空の話であるにも関わらず、日常よりもはるかに心を動かされる。
しかし、

***

またとある作家さんの話を出してしまい恐縮なのですが、その人の作品は解釈しようとすればどこまでも深く解釈できます。それはそれで面白いです。しかし解釈が正しくてそれに従って読むのが正しい読み方ならば、最初からそう書けばいいだけの話です。

作品を解釈するのは、正直に言えば、危険を伴います。

それはみずみずしい果物をそのまま食べるのではなく、サプリメントにして栄養素を食べるようなものです。でもそれに価値はあるのでしょうか? 栄養素ならいざ知らず。
そんなの楽しくないし、間違っていると思います。

物語を観た後に自由に解釈するのはいいんですが。
解釈に依存して自分の感受性を放棄してしまうと、最悪まるでカルト宗教のような場所に行きついてしまいます。

だからこそ私の言ってることは、できれば、きれいさっぱり忘れて見ていただきたいのです。
「なんで見ようと思ったんだか、思い出せないんだよね。誰かにオススメされたんだっけかなあ?」
とかが理想なんですが。

ムリですよねえ。
書いてしまってすいません。

***

ただ「愛のバケツリレーで世界は回っている」というぐらいの感想に変更したいと思います。

誰かが苦しんでいるとき、誰かがそれを助けるように、この世界はできている。
必ず誰かが助けに来てくれるから、私たちも誰かを助けましょう。
少なくとも「この世界」はそんな場所でした。
太古のログからこの文章を見つけた人は、そんな感想を持ってくださるかもしれません。
そうだったら、いいですね。

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