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燃えるスカートの少女(著:エイミー・ベンダー)【萌える読書紹介の男vs むせるスカジャンの女。ふぁいっ(caan!)】

アメリカ文学。短編集。

困ったな。引っかかるものが何もない。
いや、こういうのもたまには読みたいと思って買ってみたんだ。
もちろん、自分が金を出して買ったものは、いずれにせよ満足する法則があるので、それなりに楽しめた。
実際、雰囲気を楽しんだ。
良い感じだった。
そして読み終わったら忘れた。

考えてみてほしい。
村上春樹とかボルヘスの本を読んで、
それについて解説を書けると思うだろうか。
まあ、せいぜいあらすじなら書ける。
しかしあらすじなんか書いたって仕方ない。
そんなんはネット検索でいくらでも出てくるし、
なんなら流行りのAIに聞いたっていい。
間違ってるかもしれんが。

文学を読んで、これこれこうでした、
なんて感想文を読みたい連中なんてこの世にいるわけないだろう。
いま考えてみると、小学生に読書感想文を書かせるなんて絶対に止めさせた方がいい。
そもそも最初からおかしいなって思ってたんだ。
そんな文章を読むことが面白いとは思えない。
あれは国語教師が給料分の仕事をでっちあげるための仕事だ。
生産性が無い。
生産性が悪いのではなく、無いのだ。

だからこれまで、読書紹介と称する私の素振り10万回に、
これを載せたことはなかった。
しかし、自分が読んだ本を紹介しないのは、やはりもったいない。

つまりだな。何が言いたいのかというと、
こういうのは、読まなければ真価がわからない、説明不可能なものなんだ。
そういう小説が世の中にはごまんとあるんだ。

タイトル作の「燃えるスカートの少女」だって、具体的にどういう作品なのかを説明するのは難しい。抒情的というか比喩を連打しているというか、幻想文学の系統というか。
これを説明するのなら原文をまるごとコピーペーストした方がいいだろう。
詩を紹介することはできない。
この詩がなんであるかを説明することはできない。
詩を理解するために必要なのは、説明文を読むことではなく、詩を読むことだからだ。
せいぜいバックグラウンドを解説するのが挑戦できることのすべてだ。
たとえば「ポーランド語で夢を見る」という作品があるから、これは祖父母がナチスから逃げてきた家庭の話なのだとわかる。
だからなんだ。
それは作品の本質ではありえない。
主人公は孫なんだ。

そういう作品が16編。
まいったよ。

ところでアーチストは性別がわからないことが多い。
自信満々で女性作家だと断言すると恥をかくこと請け合いだ。
女性なのに男性名を名乗っていたりすることはざらにある。

だがこの作品の著者は女性だということだけは確からしい。
その情報に意味があるかというと、まったく無いだろうが。
だって作家なんだぞ。
後はもう、読んで確かめた方がいいとしか言えない。

ああ、そうだ。これが堕落だというのなら、
もはや堕ちるところまで堕ちるしかないのだ。

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