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ウィッチ(2015年:監督:アリ・アスター)【双子「黒豚も映画紹介したよっ」「いやあ、語らせるとうるさいですよ、ぼかぁ」誰だお前】

ザ・クラフトなんて青春魔女映画を出したら、
今度は本当に怖い魔女映画も紹介しましょう。
セーラムの魔女裁判・・・ではなくて、それっぽいの。

舞台となるはアメリカ合衆国建国前。
貧しい移民の家族は、
誰もいない田舎に一家で移住します。

家族は以下の通り。
お父さん。
お母さん。
長女トマシンちゃん(主人公らしい)年頃。
次男くん。頼れそうな男子。年頃なのでスケベ。
ふたご、いたずらっこ。
赤ちゃん。

長女のトマシンちゃんが、
赤ちゃんの弟をあやしていると、
とつぜん、赤ちゃんが消えてしまいます。
え。

のっけから怖い。
まあ、狼なんだそうだけど。

早くも家族から犠牲者が出たのと、
貧しさに耐えかねて、家族はぎしぎしおかしくなっていきます。
銃を撃つも暴発で獲物が取れず、
お父さんはお母さんの銀のカップを狩猟用の罠と換えてしまいます。
お母さんには内緒で。
おねーちゃんが疑われますが、お父さんがたしなめます。

双子はいたずらっこで、黒羊のブラックフィリップを可愛がっています。
がしかし、ひどいことを平気で言います。
子どもは、周りの人間が言っていることを平気で真似してしまうのでしょうか。

頭にきたおねーちゃんは、
魔女呼ばわりされた仕返しに、
「そうよ。私は魔女。お前なんか食べちゃうから」と脅します。
割と本気でびびる双子。
次男「ふたりともやめろよ」

しかし、不安な物語はどんどん事態が悪化していきます。

*******

猜疑心に取りつかれた家族は、想像しうる最悪の結末へ向かいます。
まだ魔女や悪魔が本当に恐れられていた時代。
存在しないものに怯えて、疑心暗鬼から良からぬものを捏造してしまう。
時代が良くなかったんだ。

そういう話なのかな?と思ったんです。
と思ったら、

いやまあ、変なノリだったのは認めます。
双子は朝ご飯のお祈りの最中になぜか耳をふさいでわめきだすし、
森の中に変なアダルトなおねーさんが出てきたり、
(アダルトなおねーさんは次男の妄想なんじゃないかなと割と思った)

以下のネタバレを見ると確実に呪われますのでよろしく。














ひとりぼっちになったおねーちゃんの前にふらりと、
上で登場したある存在があらわれて、
喋るんです。












これは本当に怖いホラー映画。
ただ怖さを煽る系のホラーアクションではなく、
人間の心の闇につけこんでくるようなしみじみと考えさせられる怖さ。

ただもちろん、言い訳もできます。
薬物を使うと(キノコとか)
こういう幻覚を見れるんですよ。
だから、ホラー要素はまったくなく、社会派の作品だと言い逃れることもできる。
まだ、できる。
何か、変なのを食べていませんでしたか?
おねーちゃんは。

まあ、こんな合理化で逃げて誤魔化したからといって、
だからこそ、怖い。

絶望から悪が生まれる。
ただ怖がらせるホラーではなく、
リアルな怖さを重ね合わせる真のホラー。
これは現代の私たちの街で同じことが起きていても、違和感がない。
あなたは、この暗闇を直視できますか?

もし、普通のホラー魔女映画に見えたなら、
あなたはたぶん、大丈夫なのでしょう。

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