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カレーVSラーメンマイクロノベル応募作『拉蛇』



ラーメンが嘗て銀河と呼ばれてゐた頃、神々は徒に麵を持ち上げては羣がる巨人達を見て快樂としてゐた。

しかし繰り返してゐる閒に巨人達は鍛へられ、ついに麵の柱を登りつめ神々へ反亂を起こすと、たちまちに取つて代わつた。

そして忌々しい麵を蛇に變へると神々は贄として捧げられた。

最後の神が蛇に呑まれるとき、巨人達へ呪いをかけたので、巨人達はその大きな身體を失つた。

蛇達が腹を滿たして眠つたので食べられることはなかつたが、同時に言葉も失つた。

その内に一人が蛇の皮の模樣に言葉を見つけ、長い時閒をかけて無數の言葉を得ると、嘗て巨人と呼ばれてゐたもの達は自然に羣に別れ、遂には羣ごとに一匹の蛇を攜へ去つて行つた。

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