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旬のルバーブ/Rhubarbを食べよう!

お庭から採れたてのルバーブ

ルバーブは、シベリア原産の野菜。
イギリスでは、16世紀から薬として栽培が始まり、18世紀の後半になると食用として葉柄(茎)の部分を調理するようになりました。
フキを巨大化したような植物で、茎は赤みかかっています。

調理法いろいろ、酸味を生かしたお菓子がおいしい。

今までに食べたことのない味。

ルバーブといえば、やはりクランブル!茎をザクザクと切って砂糖を振りかけたものにクランブル生地をのせてオーブンで焼く素朴なお菓子。イギリスでは、食後のデザートとして楽しまれることが多いです。

まず驚いたのは、その酸味!
ものすごく酸っぱい!
な、なんだ。お菓子なのにこの酸っぱさは。
しかし砂糖と調理してあるので甘酸っぱくて、とてもおいしい。すぐにルバーブのファンになりました。ちなみに、葉っぱにはシュウ酸が含まれており食べられません。茎も生食には向いておらず、砂糖を加えて加熱調理するのが一般的。簡単に煮崩れるのが特徴です。

4月中旬(2023年)、こんなに立派な葉っぱが。

イギリスに住み始めてからしばらくすると、お庭で育てている人がたくさんいることに気がついた。ルバーブは、シベリア原産といわれるだけあって、夏にも涼しい場所を好むようです。お庭の端っこの方、ちょっと日陰になるような場所に1から2株ぐらい植えてある。手入れをしている様子はないのに、わさわさと葉っぱが茂り元気よく育っています。ファーマーズマーケットやスーパーでもかなりお得な価格で売っておいて、手軽に買える食材の一つです。

室内で育てるフォースド・ルバーブ

ヨークシャー産のフォースド・ルバーブ。ピンク色の葉柄と黄緑色の葉っぱ。

さらに、『英国お菓子めぐり』のリサーチをしているときに、北イングランドの一部の地域(ルバーブ・トライアングル)で栽培されているフォースド・ルバーブという特産品を知る。このルバーブは、ロウソクの灯だけの暗い屋内で育てられる。路地物よりも早く、2月ごろから初物ルバーブとして市場に出回る。日光に当たらないので、通常の路地物よりも葉が小さくて、茎は細めのピンク色。繊細な風味をたのしむ初物ルバーブです。

ヴィクトリア時代には、鉄道の発達により北イングランドからロンドンの市場へ直送で輸送できるようになり、大人気となりました。その後、海外産の果物が輸入されるようになると、フォースド・ルバーブの需要は少なくなっていきました。今でも旬の時期になると、ファーマーズマーケットや八百屋さんで手に入れることができます。

ルバーブのお菓子

耐熱性のガラス容器やオーブン皿で焼きます。

やはり一番人気なのは、クランブル
とにかく簡単に作れる。美味しい。
幅広い世代に喜ばれる。

カスタードをたっぷりと添えて食べる人が多い。私はバニラアイスクリームを添えるのが好き。
レシピは、こちらの本 P109で紹介しています。↓


ルバーブのコンポート

コンポートは、食後のデザート向き。簡単に作れる。

4月ぐらいからお庭でとれるアウトドアの初物ルバーブは、その風味を生かしてコンポートにしています。イギリスで育てられているルバーブは緑色の茎のものが多いですが、この時期だとまだ赤い部分がおおくて、香りもいい。

初物の赤い茎のルバーブで作るとピンク色のシロップに。

コンポートの作り方は、ルバーブの茎の部分を1㎝ぐらいにザクザクと切って、オーブン皿にいれる。

ルバーブの重量の20%にあたるグラニュー糖またはカスターシュガーを振りかけて、混ぜ合わせる。

180度のオーブンで20分程度焼く。ルバーブ全体が柔らかくなりシロップがぐつぐつと煮立っている状態になれば出来上がり。

程よく温めたカスタードを添えていただきます。

缶入りのカスタード。ガラス容器にうつしてから電子レンジで温めます。


ルバーブのシラバブ

白ワインを加えた上品な味。クリームを使ったデザートです。

もう一つ、おすすめのデザートが、シラバブです。
一般的にはグーズベリーと作ることが多いレシピですが、フォースド・ルバーブ(日本だと赤いルバーブがいいかも)が手に入るときに作ってみてください。シラバブとは、チューダー朝に作られ始めたクリームを使って作るデザート。甘酸っぱい果物のピュレと泡立てた生クリームがよく合う上品なお菓子です。

ルバーブのフール 

シラバブに似ているますが、クリームの分量が少ないデザート。
レシピ
小さなグラスで、7~8人分材料:
ルバーブ 400g
グラニュー糖 125g
ブラマンニエ 50㏄
ダブルクリーム(乳脂肪分46%のクリーム)300㏄
グリークヨーグルト(ギリシャヨーグルト)500g

作り方:
ルバーブを食べやすい大きさに切る。1~2センチぐらい。

ソースパンにルバーブと砂糖75g、グラマンニエ、水75㏄を入れて5分ぐらい加熱する。柔らかくなるまで。

ルバーブをこして、冷ましておく。半量はマッシュする。
シロップだけを3分の一量になるぐらいまで煮詰める。冷ましておく。

ボールにクリームとヨーグルト、残りの砂糖、シロップを加えて角が立つまで泡立てる。

マッシュしたルバーブを加える。ざっくりと混ぜて、残りのルバーブも加える。

お好みでメレンゲを食べやすい大きさに砕いて加える。

ざっくりと全体を合わせるように混ぜ合わせてから、器に盛り付ける。

日本でも流通している

栽培する農家の多い長野県では、明治時代初期ぐらいに外国人宣教師が自分たちが食べるために農家さんに頼んで栽培を始めたといわれています。最近では、英国菓子の人気からルバーブを食べてみたいという需要が増えて、栽培をする農家さんが増えました。オンラインで農家さんから直接買えるようになったのは嬉しい。都市部に住んでいる方なら、デパートや高級食品店で取り扱いがあるそうです。農家のある長野や山梨の道の駅では取り扱いがある場合も。皆さんはどちらでご購入されていますか?


保存食にするなら

ルバーブのジャムは夏に近くなって硬めの茎にあったルバーブがおすすめ。

家庭菜園で嬉しい悲鳴は、一時期に大量の野菜が収穫できること。イギリスでは、イチゴやブルーベリー、リンゴなどの果物がたくさん採れる時期には、ジャムやチャツネの保存食にしてきました。ルバーブは野菜ですが、砂糖と煮詰めてジャムにするとおいしい。

人気のフレーバーは、香りづけにジンジャーを加えたもの。ルバーブは、ジャムにすると酸味は激減します。そこで、ピリッとした味で独特な香りのジンジャーを加えると、甘いルバーブのジャムとバランスが良くおいしいです。

イギリスのルバーブの歴史や様子ついては、こちらの本でご紹介しています。『ルバーブのシラバブ』『ジンジャーとルバーブのジャム』のレシピもあります。

日本のルバーブ愛好家、どのくらいいるのでしょうか?
みなさんのルバーブ調理法や購入先など、ぜひ教えてください!

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