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それはお酒の話でもたこ焼きの話でもない

子供の頃、いや成人してからも、
路上や公園や駅など公衆の場で路上で飲酒している人の気持ちがわからなかった。
嫌な言葉を使うと、見下していた、に近かったと思う。
理由とか理屈よりも「人前で」「飲酒」ということがもう「おかしい」っていうか、
決めつけていた。大阪弁で言う「ありえん」という言葉やろうか。
ありえん、ってすごく強い否定の気持ちと言葉だなと常々思っているのだが、マジそれ。
そう思っている人って、実は居たりするんやない?
 
でもね、大人になってから、
いや、この何年かかもしれない、歳を重ねてからか、
そないする気持ちもわからんではないなと思うようになった。己も酒呑みになったからか。せやな。でもそれだけじゃない。
 
わかるというか、わかりはしないかもだけれど、「あ」とか「ああ」って。
 
例えば、一日の労働が終わってストレスMAXでどうしようもなく「もう呑みたい」になるのかな、とか。
例えば、駅で呑んでるサラリーマンなどは、家族が嫌がるとか・家の誰かが禁酒中とか、など、なにかしらの家で呑めない環境や理由があるのかもしれないな、とか。
 
さらに、最近、「あ」と思うことがあった。
 
とある地域のとある広場にて、
ってこれは隠したいのではなくきっとそんな場所は多いのだろうと思ったので敢えてこういう書き方にするが、
夕方、サラリーマンや若い人たちが外呑みをしていた。
ご丁寧に、グループや個人ごとに等間隔、
関西でいうと鴨川の河川敷でデートをする若者たちの等間隔のように、
あるグループはベンチで、ベンチに座れない人々は花壇で、
コンビニで買ってきたのであろうチューハイだの発泡酒だのを呑んでいる。
都会の公園というか広場というかそんな場所に。寒いのに。そう、寒いのに。なぜ。
 
気付いた。というか、同じ広場の別のスペースに目をやって「あ」となった。
広場の片隅にはちょっと洒落たカフェというかカフェバーがあった。
店内だけじゃなくテラス席もある。
コーヒーを飲んでいる人もいればビールやカクテルを呑んでいる人もいた。
さらに広場のまわりにはカフェバーも居酒屋も酒場もたくさんあった。
 
でも広場のベンチや花壇で呑んでいるグループや人がめっちゃ居るめちゃめちゃ居る。
 
ああ、外と、中と、まわりと、財布の中と。
 
そのお財布の中の理由は、
自身やそのまわりが原因であることだけじゃなく、
もっと大きなことが理由ということもあるかもしれない。
 
と、あまりに多くの「等間隔」を見て思ったりした。
 
勿論、全肯定は出来ないし、しない。
これらの光景や状況にはいわゆるアルコールに頼ったり、
依存したり、してしまっていたりという問題も大きく絡んでくる訳で、
理由がどうであれ、「絶対に完全に肯定賛同賛成」するのは非常に難しい話だ。
 
呑みたくもないのに上司に引っ張られてくっそ寒い外で付き合わされている部下とかもきっと居るだろうし、他にも「おっと」「おおっと」な内情は少なくないだろう。
呑めない人(いろいろ)も呑みたくない人も呑むことに全く興味がない人もいるだろうし。
 
そもそも、あの場所が飲酒禁止だったかどうかも確かめていない。
 
そう、これは他の国ではなく「日本」だから、という点が、は、きっと、大きい。
 
でも「あ」とか「ああ」の気持ちは、忘れずに、ってか、ちゃんと心の中に置いておきたいな、と、思った。
なので、非常に伝わりにくいかもを承知で書いてみたのだった。
 
昨日、近所のたこ焼き屋の前を通ると、
狭い店内には昼過ぎ? 夕方? にも関わらず
素敵にウォーター感溢れる常連風の皆さんが集まっていて
何故かボトルワインなぞめちゃ呑みながら
「うえーい」ってやっていらして、
「うえーい」の中には勿論と言っていいかはわからないけれど勿論御店主もいた、おーい。
店の前にはお客の年寄りが居て持ち帰りを頼んでいたのを見かけたのだが、
御店主は見事なまでのタメ口で喋りながら焼きたてではないやつを適当に詰めていた。
あれは怒ってええレベルだ。
わたしは金銭のやりとりが発生する商売や仕事での「ああいうの」は本当に最低最悪だと思う。少なくともわたしは絶対にあの店には行かんし買わんありえん、そもそもたこ焼きが好きじゃないけど。
 
せやけど、たこ焼きが好きな人もいれば嫌いな人もいる。
たこ焼きを何味で食べるかはソースの人も塩の人もマヨネーズが要る人も要らない人もいる。
カリッ&とろっの出汁多めおかず風たこ焼きが好きな人もいればカリカリのスナック菓子風たこ焼きが好きな人もいるし、
そもそもたこ焼きなんて店で買わんとか食わんとか、
「たこ焼き屋とかって近所にあるんや~」とか言うもいるやろう。
 
と、書くと、「えー大阪人なのにー?」とか、
何、「なのに?」っていう決めつけは!
でも、そうやんなあ。そう考えるのもわかるわなあ。嫌やけど。
味がよければサービスはどうでもええやんという声やいやそれはちゃうやろっていうひともおるやろうし、同じ人間の考えでも物や場や状況によって考え方変わるしね。
 
で、だから、
人間はむずかしくておもしろくて、
おもしろくて、ああ、果てしなく途方もなくめっちゃむずかしい、
むずかしいけれど単純なのかもな、ああ考えたいな信じたいなと、思う。思った。
 
長っ。
 
何の話やですね(笑)


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【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。

lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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