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老いと旅役者①/私がオバさんになっても

5~6年前から「老い」というものに対して興味があります。
正確に言うと、「老いと自意識」っていうんやろか。
最近私が興味を持つテーマは「Home(場所)」なのですが、
同じくらい、考えることの多いテーマのひとつです。

理由は単純、自分が若くはなくなったから。
自分の身内や周りの皆が若くなくなったから。
うん、だから「自分事」として考えるようになった。

でも、「自分事」となる以前から興味があったのも事実。
嫌でも、嫌というほど、つきつけられてきたのです。

旅芝居・大衆演劇を観ていて。

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旅芝居の世界ではいつの時代も若い世代が持て囃されることが多い。
今をときめく若い座長、芸はまだまだでもピカピカに輝く若手世代。
「旅芝居ってさ、おばさまたちが若い役者に「きゃー!」なんでしょ?」
うん。否定しません。おばさまたちだけじゃなく若いお客さんも「きゃー!」です。
(※& 否定はしないけれどそれだけじゃないってことも付け加えておくね)

でもね、私はずっとこの「きゃー!」と言われる世代よりも、
その上の世代や上の上の世代に目がいって仕方がありませんでした。

いつも書きますが、
日々、いや、人生を旅回りの舞台で生きる旅役者たちは、
舞台の上で歳を重ねてゆきます。
だからかな、私には舞台に立つ姿にそのすべてが滲むような気がして仕方がありません。

人柄や、人間性。
歩んできた人生? 考え方?
好きなもの。
あと、 遊んできた(遊んでいる)過去?!

その他、いろいろ、いろいろが舞台姿に滲む! 舞台姿から漏れる! 見える!
ホントは舞台で演じられる物語に集中したいのだけれど、でも、見える!
でもそこが、そここそが、旅芝居の、より、笑い泣きと泣き笑いを出来るところなんじゃないか?!
追い続けるうちに、思うようになりました。

オッサンやジーサン世代の役者は、
その〝滲み〟が如実に見えるような気がしてならないのです。
ほら、普段でも「40超えると人柄は顔に出る」とか言う言葉、あるやん?
そんな感じ。旅芝居、日々舞台だから、もっと、如実に。
時に笑えるほどに。笑うしかしょうがないくらい泣けるほどに。でもだから笑えるほどに。

「それでも」生きてる。舞台に、立っている。

自分がまだ若いと思っている人。思いたい人。
ほんまに思っている人。思いたいけど思えない人。
イケメンや若い子がスター役者としてきゃーきゃー言われる旅芝居の世界で、
彼ら一緒に今も舞台に立つ元・イケメンや元若かった、今、オジサン、今、ジーサンたち。

忘れられないな、ある中年の役者さんの一言。
「なんでババアって、若い役者が好きなんだろうね」吐き捨てるように。
でも、これも、きっと答えが痛い程わかっていて、でもだから、吐き捨てたんだろうな。
今となっては、とても思います。

客席の客というのは知らずして
「搾取」をしてしまっている(だろう)(かもしれない)。
観ていた頃はアホで「搾取」なんて考えもしなかったけれど、
今別の似たジャンルを観ていて、この言葉を考えるようになり、思います。
だから、より、彼らやお客さんのことを考えたりもします。

「アンチエイジング、って言葉、なんか好きやないなあ」とか思いながらも、
目の下のクマと弛みをとるクリームやテープを貼ったり
効くんか効かんのかわからんた美容パックを貼ったりしながら。

あれだけオッサンやジーサン役者を面白く思いへばりついていたのに、
今では若いプロレスラー、しかもちょっと不器用だったり出来が悪いような若い子に目がいく自分に気付き、苦笑いしながら。

ちなみに、タイトルの歌(笑)について。

この歌は上方落語の桂あやめ師匠が一時期、枕でよくネタにしていました。
「カラオケでこの歌を歌ってみて周りに「わー!(笑)」って笑われたらまだ若い。周りが「……」ってなったら歳です(笑)」
私的にはあまり好きなくすぐり(笑い)ではなかったけれど、よくウケていたなあ。

でもね、旅芝居でも座長大会で替え歌にして歌っている座長が居たのです。元気に必死に走ってきたら、気付けば若くなくなっていたとある座長。

「派手な衣装ばかり着るのよ。それで、誤魔化すのよ」

笑いました。泣きました。

という訳で、手始めの①に続き、 その②。役者さんたちについて。よろしければ、お付き合いいただけると嬉しいです。


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