【 極楽鳥 】 (短編小説/超短編小説)


青い鳥が捕われた。 —かわいそうに。


私は青い鳥とは一切無関係の、極楽鳥。

極楽鳥であるわ。


つまり、極楽。 —そう見えるだけであるわ。


私は捕われることなど無さそうであるけれど、

それはつまり、隠れて暮らしているからであるわ。


羽の手入れは欠かせないものの‥ 否、欠かさないものの

この大きな翼を誰かに広げて—

ー魅せる機会は、ないでしょう。


今日も追われたり捕われる心配の無さそうな鳥達は
自由に大空を舞っているわ。


私は何の変哲もない極楽の鳥。

羽ばたいてすらいないのに、こんなにも疲れている事など —ありえない筈であるわ。


また一羽、抜け落ちたその生え際を覗き込んでみると

昔見た、不死鳥がつけていた

翡翠色の産羽が私の脇下あたりより


顔を出していたわ。




~完~

前編
【 イライラ自由鳥 】
https://note.com/monadmametaro/n/nf682ee096981

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