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あの日一緒にいた彼女からの便りで、思いをあらたに。

先週、普段あまり連絡がない友人からメッセージが来ていた。
ジェノヴァ出身のイタリア人女性だが、現在は家族でスコットランドに在住している。ただ、実家とジェノヴァの自宅はそのままで、それまでの仕事も引き続きリモート勤務をしているため、時々、こちらに戻って来ている。
実際に顔を合わせたのは、昨年の1月だった。

共通して知っている人も多いので、たまにどうしているかは耳に入ってきてはいたのだけれど、1年半前ぐらい前に、わたしと同じ名前の方が英語で説明しているYouTubeの日本食紹介チャンネルを観ていると、人づてに知って、久しぶりにメールを送ってみた。
その際に、わたしのブログリンクも紹介していたが、見てくれているとのことで(翻訳機能にかけて読んでいるかは分からないが)、写真を眺めてはリラックスしている、癒されているのだそうだ。そういうのは、リップサービスということもあるが、彼女は他の共通の知っている人たちにも何度となく話していて、他の人からもブログurlを知りたいと連絡があったので、まんざら嘘でもなさそうだ。
普段、ジェノヴァに住んでいないので、わたしのブログで旬の街の様子を見たり、料理の写真を見たりするのは、興味深いのかもしれない。わたしが、日本在住の方の様子をイタリアからネットで見ては、旬の日本情報をアップデートしているように。
彼女は、Bento(弁当)にも興味があり、以前に「Bentoのレシピを教えてくれたら嬉しい!」とか、「子ども向けの料理レッスンをできない?」とも言っていたので、料理にもとりわけ興味がある人なのだ。

今回は、「ブログリンクがどこかにいってしまったので、再送付してくれない?」というリクエストだった。

そのメッセージを読んで、私は13年前の3月11日に彼女と約束があり、会っていたことを思い出した。

その日、地震があったのはわたしが起きて少ししてからだったが、朝、ネットで地震情報はちらっと目に入ったものの、それはすでに何度目かの余震についてだったようで、未曾有の大地震が起こっていたとはつゆ知らずに家を出た。

大事だと知ったのは、彼女のところに着いてからだった。わたしたちに共通する関係者のイタリア人ご夫妻も、ちょうどその頃、仙台入りしたところだった。


その後、わたしは地震で揺れた広範囲に在住する家族・親戚・友人・知人に電話やメールで安否確認を急いだ(当時、LINEを使用していなかった)。メールに返答があった友人の中には、同じエリアの家族への連絡はつきにくかったのに、海外からのわたしのメールはすんなり届いたことに驚いたけれど嬉しかった、と返信に記しされていた。

そういったことは、追って、郵便物の送付にも起こっていた。地震の影響で、被災地域への国内での物流が滞っていたり、遅延していた頃、仙台のお付き合いある人たちに食品を郵送での発送を試みたのだが、なんと、郵便事情がよろしくないイタリアからにも関わらず、通常の最短ぐらいで受け取られたとのことで、東京の人たちからも「どうして?」と驚かれた。

3.11後は、いっそう日本の状況の把握と、日ごろから何かの折りにはみんなに連絡を入れようと思うようになった。
と言っても、自分が思うところの100%はできていないので、自戒の意味も込めて記しているのだ。

日本には『便りのないのが良い便り』という言葉もあるものの、いつでもそうだとは限らないのだから。

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