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『勇気と元気とやる気とパワーが湧いてくる筆文字シリーズ Vol.175』

医療界の常識、世間の非常識。

ボクはこれを理学療法士になって痛感しました。

ボクが理学療法士になって東京都中野区で勤め始めたのは13年前です。

その頃は隣の施設にどんなリハスタッフがいて、何人くらいスタッフがいて、どんな得意分野を持っていて、どんな考えを持っているのか、そんなことを知ろうとも思っていないし、聞くのはご法度という世界でした。

すごく不思議だったし、なんでなんだろうって思っていましたが、その頃はまだ新人というのもあり積極的に他施設と絡んでいくことをしていませんでした。

まさに、「井の中の蛙大海を知らず」です。

そして3年目くらいの時に中野区で行われている勉強会に参加する機会があり、他施設と絡むとこんなにおもしろいんだ、もっともっと視野を広げていくことで、自分のスキルアップが出来るんだと感じることが出来ました。

そして数年が経ち、神奈川県大和市の病院に転職しました。

なぜ転職したかというと、「在宅生活を支える訪問リハビリにおいて、もっともっと病気やけがのことを知らないと、目の前の対象者を支えられない」って思ったからです。

ボクが初めに勤務した中野邦施設は総合福祉施設で、医療の視点がごっそり抜けてしまいます。

ですから理学療法士や看護師、医師においても得意分野があるように、他の分野に関しては疎くなってしまう現状があるのです。

なんでもオールラウンドに知識があるというのは、色々な職場で経験していかないと本当に難しいことなのです。

ですから自施設で勉強しまくっていくことはもちろんのこと、他施設が必死こいている状況を教えてもらって、うちの施設が必死こいていることをお伝えすることで、その地域が活性化すると思うのです。

だからボクは上長に、「もっと他施設を絡んでいけないですかね~」ってお伝えしました。

すると、「お互いの手の内を見せるのって、抵抗あるよね。向こうだって同じように思っているんじゃないかな…。」という反応。

ここで普通のスタッフだと、「なんだよ。おもしろいと思っているのに、オレ一人で連携を進めていくのはどーせムリなんだよな。」ってなるでしょう。

しかしボクは普通のスタッフではありません。ですからこう考えます。

「だったら一緒に学んでくれるヒトを見つけて来ちゃえば良いんだよね。そしてもう一回交渉しちゃおうかな。」

そして実際に勉強会で講師をしていた近隣の大学病院の大先輩に講習会終了後に話し掛けます。

「先生、今日の講習会とても楽しく学ばせていただき有り難うございました。桜ヶ丘中央病院の小野と申します。患者さんの行き来もありますし、今度一緒に何か勉強会等が出来ればと思うのですが、カクカクシカジカ…。」

この話が出てから一年以内に環境は激変しました。

近隣の大学病院のスタッフと当院のスタッフが、当院のリハ室に集まりリレー症例検討と、お互いの施設で取り組んでいる必殺技の交換し合いっこをしているのです。

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ムリではなかったです。

余裕で実践出来ました。

やはり世の中の常識や当り前って、その場ではそうなのかもしれませんが本当にそうなのかって疑う必要があると思います。

どーせムリを、だったらこうしてみればいいじゃんって考えられたもん勝ちです。

その結果この勉強会は3ヵ月に一度継続開催できていますし、他施設を巻き込んで情報交換をしまくっていますし、もうすぐ丸5年が経ちます。

何なら発起人の3人のうち、2人は他施設に転職しちゃっています。

けれどまだ継続できているのです。

最高です。

この繋がりで何人の患者や利用者が良いリハビリテーションを受けることが出来たのか。超急性期病院から訪問リハビリまでスタッフが繋がることで、どれだけ世界が変わったことか。

ボクたちはもっともっと繋がって、お互いの武器を交換し合わないといけないと思います。

そしてもっともっと地域を明るくしていく必要があると思います。

ボクたちリハビリテーション専門職には、その力があるはずです。

そう信じ切っていますので、ボクはこれからもどーせムリと言われようが、だったらこうしてみたら?と答えながら必死こいていきたいと思います。

「どーせムリ」から「だったらこうしてみたら」に変えるだけで、世の中は激変する。

ボクはその実践者であり続けたいと思います。

今日も最後までご覧になって下さってどうも有り難うございました。

皆さんとのご縁に感謝いたします。


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