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28:00

眠れなくてベランダに出る

人の気配は無い

ただ時折、トラックが通り過ぎる

人はいないのに明るいのが東京だ

春の夜風は冷たい

一瞬にして身体が冷え込む

借りているパジャマに顔を埋めると
彼の家の匂いがする

私はどうしたいんだろう
そう悩んでいる時点できっと答えは持っている

ただ
そうするのが怖いだけとも知っている

15分も黄昏て再び布団に戻る



隣で彼の寝息に耳を立てる

車の走る音と寝息以外
音のない夜の世界

寝息を聞いているとふわりと眠気がやってくる
ようやく眠れそうだ


この静寂に浸れるのが繊細が故のことなら
繊細さを失ってはもったいなさすぎると思う

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