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たぶんOrganicという言葉がポイントーー井手留美著『ちくまQブックス SDGS時代の食べ方』を読んで

 井手留美著 筑摩書房 2021年出版

 ちくまQブックスというものが、どういうものか知らなかったが、図書館歩いてたら、ティーンズのコーナーでこの本を見かけて、面白そうだから、この本を借りてみた。

 SDGsって最近すごく聞くようになった言葉だけど、それがどう説明されているのか、気になった。気になったけど、やはり、この考え方って、なんかどこか政治的なもの、ユニセフ的なものを感じる。ある人は、教育と互換性がよい、って言っていたが、その気持ちは分かるが、当たり前だろ、といったらそうで、わざわざSDGsなんて言葉にしなくても、自然に大人が子供に伝授するべき考え方だと私は思った。

 この本に書かれていたことでおもしろいな、と思ったのは、ちっちゃい「あるある」で、例えば、アイスクリームはマイナス18度以下で保存されるので品質の劣化がとてもゆるやか、賞味期限表示は省略することができる、とか、こういうささやかな情報がおもしろいな、と思った。日本でいう「おばあちゃんの知恵袋」的な話が、SDGsなのね、って世界に言っていいんではないかい、とちょっと思った。

 日本の話はあまり書かれていなかったが、organicという言葉は、日本語で「有機」と訳されているが、それだけでは英語のorganicという言葉をカバーしきれていないんじゃないか、と思った。スウェーデンやイタリアの場合は、食品ゴミや剪定した枝や落ち葉などの庭から出るごみも一つに集められてorganicになるらしい。

 どういうことかいまいちイメージがつかみ切れてないが、分かる人がいたらもっと詳しく教えてください。

 他にも、卵を生でおいしく食べられる日数は夏と冬で違う。夏は16日、冬は57日以内。日本卵業協会による。の話も、日本では卵が冷蔵庫保存が当たり前だから、こういう話が珍しく感じたのかもしれない、と自分で思った。

 日本と外国の昔から当たり前だと思っていたものを照らし合わせていくと面白いのかもしれない。科学的根拠がないのに当たり前とされているものとか、なぜだか分からないけど、正しいと思えるものとか、偏見みたいな、迷信みたいな、なにか。
多分、世界のおばあちゃんからの伝承をまとめると、SDGsは割と成功するんじゃないか。

 賛同者、求む。


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