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おせち料理と正月の器

新年、明けましておめでとうございます。

2024年元旦の朝の気温はマイナス13度、日の出は9:24でした。
初日の出を見るとしても、こちらの国は10時近くになるため、まだ朝日が昇る前にお雑煮を作って食べました。 



手作りおせち

毎年恒例のおせち作りは、もう10年も作り続けていることに気づき、食い気と日本の食への執念に我ながら驚く(笑)
昨年10月に一時帰国できたので、かなり日本食材を持ち帰り、今年はいつもより食材の調達が楽だった。
故郷のおせちにかかせない "ひたし豆" もずっと枝豆で代用してたけれど、日本で購入した納豆用豆セットの中に青ばた豆が入っていたので、初めて本来の食材で作ることができた。
やはり秋に帰国するのが、気候的にもタイミングとしてもベスト。
しかし、かまぼこだけは昨年に続き入手できず…。お正月時期に限り数少ない在住日本人しか買わないためなのか、日本食材店やアジアンマーケットも仕入れをやめてしまったようで…非常に残念。かまぼこがあるだけで彩りが違う。流石にかまぼこまで自力で作る根性はなかった…(苦笑)




記録として今年のおせち料理の品書き
・黒豆
・鮭の昆布巻き
・紅白なます
・栗かの子(桜井甘精堂)
・いくらの醤油漬け
・伊達巻
・海老のうま煮
・たたき牛蒡
・八幡巻
・ひたし豆
・蓮根の酢漬け(赤紫蘇入り)
・筑前煮


お正月の器

お正月に漆器を出すと、新年らしい改まった気持ちになり、塗りの鮮やかな朱赤と漆黒は日本の美意識を感じさせる。
ずっと重箱がほしくて探していたけれど、数年前に故郷の漆器店で出会いがあり、手に入れることができた。



江戸時代に創業という老舗の漆器店には以前から憧れはあったものの、物が物だけに敷居が高く、それまでは見るだけだったけれど、ある年、じっと重箱を眺める私を不憫に思ったのか、塗りにちょっと不備があるので少し手頃ですと、お店の方が見せてくれたのが写真の重箱(今もどこに不備があるのか全然わからない)




芽吹き柳と初日の出のモチーフがあしらわれており、ちょっと珍しい柄かもしれない。シンプルな中にモダンさもあり、ひと目で気に入った。
しかし、値引きされているとはいえ、漆塗りの重箱はそれなりにいいお値段なので迷ったが、そうそう頻繁に帰国できないし、物との出会いも一期一会と、思い切って手に入れてしまった。
漆塗りの重箱は表面がつるっとしているので落とさないように気をつけているけど、こちらは一段づつ日の出の部分に僅かな窪みが施されていて、持ち上げやすいようにデザインされているところも使い勝手が良い。


私が持っている重箱は二段なので、おせち料理が全部入らないことも多く、いつも大きな角盛り皿を三段目の代わりにしている。

30cm近くもあるドでかい大皿
側面にも海老と魚


この大きな角皿は京都の「たち吉」という和食器メーカーの "遊魚" というシリーズのもの。藍一色で描かれた、海老や魚の縁起良さげな雰囲気の柄もいい感じ。お刺身などもよく盛り付けている。
これは新品ではなく帰国時に久々に訪れた救世軍バザーで見つけたもの。バザーは寄付の品で成り立っているので、こちらも千円でお釣りがくるほどお財布に優しいお値段だったが、大きすぎて帰りのスーツケースにどうしても入りきらず後から友人に頼んで送ってもらったので、国際郵便送料の方が倍以上もかかってしまった…(苦笑)

私は古いものも大好きなので日本に住んでいた時は神社などで開かれている骨董市にも時々行っていた。蚤の市やアンティークショップなどは、こちらの国でもよく覗いている。



重箱で勢いづいてしまい、同じ漆器店でひさご型の銘々皿も購入してしまった。瓢箪は縁起物とされていて「除災招福」「魔除け」などの意味もあるそう。私は瓢箪の形が好きで、よく着物を着ていた頃は帯留めや根付なども瓢箪型のものを好んで身につけたりしていた。
漆塗りの椀も故郷の民芸品店で手に入れたもの。


漆器は普段そんなに使わないけれど、手触りや質感に日本の伝統が感じられて、春馬くんが言うところの ”経年美化” を楽しみながら長く使ってゆきたい器だ。





元旦から石川県・能登地方で地震が起きたことを知りました。
ニュースを目にした瞬間、故郷で起きた東日本大震災が頭をよぎりました。
落ち着かない状況が続いていると思いますが、一日でも早く平穏な日常が戻りますように。

今年もよろしくお願いします。



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