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【痛みの各論】「徒手療法」における❝身体機能障害❞の捉え方!~神経機能障害編~

はじめに/ABSTRACT

    前回のテキストは,【痛みの総論】❝痛み❞の理解と「徒手理学療法」での痛みの捉え方!!と題して,健全な臨床推論(クリニカルリーズニング)を通して,幅広く,様々な視点から,患者/クライアント個別の❝痛み❞(主観的な体験)を,いかにシンプルに考察するかということを,多面的な分類に基づいて,思考を整理しながら考察することの重要性をお伝えしました。

    今回の「note」テキストは,「徒手療法(マニュアルセラピー)」が主として扱う❝身体機能障害❞についてです。

    痛みに代表される身体の様々な症状を扱う理学療法士/セラピスト/治療家であれば,誰もが身体機能を評価しアプローチするでしょう。前回のテキストからも,その評価対象となり得る身体機能とは,多岐に渡ることがお分かりいただけたのではないでしょうか!?
    得意とする治療/施術技術(徒手療法テクニック)によっても,評価対象となるべき身体機能は異なることもあるかもしれません。

    しかし,万人に絶対的な効果を示す治療/施術技術(徒手療法テクニック)など絶対に存在しません。この治療をすれば,絶対に効果が出せるテクニックなど存在しません。❝身体機能障害❞を見極めて,その治療/施術技術が適応となり得るのか否かを判断しなければ何も始まりません。

    今回のテキストでは,我々,理学療法士/セラピスト/治療家が対象とする❝身体機能❞について,より専門的にご説明していきます。まずは,その中でも「神経機能障害」についてのテキストとなります。

CONTENTS & PURPOSE
◇「臨床推論能力=思考能力」を高めることが最重要課題です。
    -エキスパートの思考とは?
    -いかにして思考能力を高めるのか?
    -思考力,パターン認識,予測的思考
    -思考力を高めるために必要な知識とは?
◇痛みと身体機能の関係について
    -その機能とは,運動器系の機能だけではありません。
    -内分泌系,免疫系,自律神経系機能も痛みに関連します。
◇神経機能障害による痛み
    -神経原性疼痛(Neurogenic pain)の理解
    -神経障害性疼痛(Neuropathic pain)の理解
◇神経機能障害に対する評価
    -神経学的検査の意義と目的
    -神経動的検査の意義と目的
    -神経機能障害に対する臨床推論
◇神経機能障害の臨床パターン
    -Denervationタイプの神経障害性疼痛
    -Sensitizationタイプの神経障害性疼痛
    -腰椎椎間板ヘルニアによる神経原性疼痛
◇神経機能障害に対するアプローチ
    -神経原性疼痛に対するアプローチ
        (マッケンジーメソッド:MDTを中心に)
       ・Centralization & Directional Preferenceの重要性
    -Denervationタイプに対する神経モビライゼーション
    -Sensitizationタイプに対する神経モビライゼーション

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