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ポジティブ思考で身を亡ぼすケース

ポジティブ思考をもって生きたら人生ぜんぶうまくいくよ、ということを書いた本がいっぱいある。

でも実はポジティブ思考によってむしろ人生がダメになる場合もある。


貯金しないアメリカ

ポジティブ思考というフレーズはアメリカで『positive thinking』という言葉として生まれた。19世紀終わりから発展したnew thought(ニューソート)という思想の派生である。このnoteでもニューソートの話を詳しく書いた。

アメリカでは子どもにポジティブ思考を教える。自分を好きになるとかいう面ではポジティブ思考もすごくいいものなのだけれど、前向きすぎてリスクを気にしないという面もある。

アメリカ人には、まあり貯金をしないまま「未来のことは何とかなるでしょう」みたいな生き方でクレジットカード破産するという問題があった。これはサブプライムローンがどうたらこうたらいう時代の話だが、今もそういう人はいるかもしれない。

ヒットする本

日本では「ポジティブ思考を持ちましょう」みたいな本がいっぱい売れている。これは日本人が持つネガティブ思考の反動だと思う。

でも「ネガティブ思考が役に立つケース」という記事にも書いた通り、ネガティブ思考だってちゃんと利用して生活すれば役に立つのだ。

日本のポジティブ思考系の本はちょっと変わっている。よく売れるのは、『嫌われる勇気』みたいな、それと『空気を読んでも従わない』みたいな傾向のものだ。あとは「努力しなくてもお金は手に入るよ」みたいなものも多い。

日本で受けた教育によってガチガチに緊張したぶんだけ、大人になってそういう本を読んで中和したいのだろう。

お金や友を失ってまで

そして日本でもアメリカのように「リスクを取って投資したらお金持ちになれるよ」という思想のもとがっつり投資して、お金を失うパターンがある。

お金だけなら自分の所持金を失うだけなのでまあまだマシだが、人間関係のことで「心配せんで大丈夫。自分の好きなように生きたらええねん」と思いすぎてワガママに生きて孤立するパターンもある。


じゃあどうすればいいのか、というと、ポジティブ思考とネガティブ思考をどっちもちゃんと活用することだ。という当たり前のことをいつも頭の片隅に残しておくのが大切だと私は思う。