見出し画像

VUCAの時代における課題解決の考え方

「VUCA」という言葉をご存知でしょうか?

Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity の頭文字を取った言葉で、
非常に変化が激しく、不確実で混沌とした現代社会を表しています。

この背景には、テクノロジーの急速な進化を筆頭に、グローバル化、自然環境の変化、市場構造の変化など、様々な要因があります。

もはや、ほんの数ヶ月先の未来さえ予測が困難で、
ただ「不確実であるということだけが確実」だという状況です。

従来の課題解決アプローチ

はじめに、従来のシステム開発やコンサルティングにおける課題解決のアプローチを整理してみましょう。

まず「現状の課題」と「あるべき姿」とのギャップを埋めるような形で施策を立案、ゴールから逆算して緻密な計画を立てます。
そして、各工程を順にクリアしていくことで、課題の解決を目指すというような、ウォーターフォール型のアプローチが一般的でした。

しかし、環境の変化スピードがどんどん速くなる状況においては、このようなアプローチでは不十分です。

時間をかけて現在の課題を解決したとしても、その頃には、また状況が大きく変わっているからです。
結果として、施策の成果物が「負の遺産」になってしまう可能性すらあります。

現在の課題を解決するだけでは不十分なのです。
したがって、未来を先読みしたアプローチが求められます。

しかし、冒頭で書いた通り、今は予測不能なVUCAの時代。
企業は、未来を先読みして動かなければいけないにもかかわらず、未来の予測が困難であるというジレンマに陥っているのです。


これからの時代の課題解決の考え方

こういった状況下で、企業は、どのように課題解決に臨めばいいのでしょうか?

まず、未来を描くということが大切です。

未来を正確に予測するのは、ほとんど不可能ですが、
しっかりと情報を追っていれば、大きな時代の流れを読むことはできます。
そこから、起こりうる未来をいくつか描き(シナリオプランニング)、
先手を打っておいて、然るべきタイミングを待つのです。

「先手を打つ」というのは、未来を正確に予測して、先に対応を完了しておくということではありません。
状況が変わったときにすぐ対応できるよう、あらかじめ布石になる手を打っておく、という意味です。

また、従来のアプローチでは、施策の実行に時間を要した分だけ、「あるべき姿」とのギャップはどんどん広がっていきました。
したがって、そのギャップを最小限に留めるためには、できるだけ施策立案&実行のサイクルを短くする必要があります。

このサイクルを素早く小さく繰り返すようなアプローチを、リーン&アジャイルといいます。


ただし、これはあくまでも抽象的な方法論でしかありません。
もっと本質的に重要なのは、起こり得るシナリオを描く想像力と、柔軟に変化できる組織文化だと言えるでしょう。