マガジンのカバー画像

君がいて私がいる話

6
思考したことが、たまに物語になって浮かんだとき。
運営しているクリエイター

記事一覧

はなとねこ

花をみつけた

一輪 克己たる心を身に流し

真っ直ぐに咲いている

惹かれ近づき気まぐれに香りを嗅いだ

花はくすぐったそうにして
可愛らしく喜び 嬉しそうに咲く

愛おしく 不意にも触れてしまった私の鼻が
あの香りを忘れられない

ただ真っ直ぐに咲いている

よこしまな心が私に絡みつく

イタズラに尻尾で絡む

何をしても許されると思っていた

摘み取ってしまった花は
どんどん枯れてゆく

もっとみる
部屋

部屋

鍵を開ける

ただいま。

足元に擦り寄って伝わる温もり
押し付けられる感覚と自分が立っていることで跳ね返る力が反することで感じる愛しさ

玄関に飾られた花
カラカラに乾いている姿を自然と愛でる

すり足の音をさせながら
水を求めコポコポとガラスを満たす

いつだって何か足りない

足りないけれど
足りないからいいのか
足りないのが寂しいのか
足りないのはなぜなのか

毎日生きて、日々を更新して

もっとみる
いますぐ

いますぐ

今すぐ 君のところに駆け出してしまいそう

気持ちはもう向かってる

いつでも近くに

人生とは、人の理性とは、本能、良心

そんなことばかりを理解しようとして

埋められない気持ちに鎖をかける

抜け殻

抜け殻

ぬくぬくとなかなか抜け出せない

動けば起こしてしまうかな。

包まれて焼かれたパイのよう
少し隙間がある心地よい空間は
あなたを感じるから愛しい

ここにいるんだ。って

背中合わせなのかな
こちらを向いているのかな
それとも、居なかったらどうしよう

焦燥とイタズラ心がざわめく

どんな寝顔でもいいな

あ、私はどうかな。
一回水でも飲んでこよう。

抜け出す
その瞬間捕まえられたら、もう一生

もっとみる
花瓶

花瓶

雨が降る
軒下を歩く軋む音

雨に打たれながらも咲く花が
ひしめき合っている庭を見る

今日も雨か。

じんわり湿る空気と少し冷んやりした風を感じる

今日の朝ご飯は何にしようかと考えながら
あの人のところへ足を向ける

おはよう。

黒電話

黒電話

手紙

伝えたいことを考えて
言葉にして
話したかったアレコレ
書き留めて
その人を想う 思いを時間をかけてしたためる

今すぐ 声が聞きたい
話したい

そう思うことを抜かさず、自分の気持ちを整えて
相手に伝える

ダイヤル回す時間も音も
愛しさで溢れる