見出し画像

【インタビュー】チャンスを掴む土台は健康にあり。Next Deliの宅食サービスで現代人の習慣づくり

インタビュー企画「気になるあのひとに会いにいく」の第3弾。このシリーズは、読んでくれた方が「会いたい」「応援してみたい」人に出会うきっかけとなる記事を書きたいという想いから始めた企画です。

今回は、宅食サービス、ケータリングサービス、商品開発をはじめ、学校や会社に向けた健康指導の企画等を手掛ける、特に「食」に特化した株式会社Next DeliのCEOである牛丸麻衣子さん(以下、麻衣子さん)にお話を伺いました。

麻衣子さんが代表を務めるNext Deliでは、「身体のメンテナンスに時間が取れない人のために、健康的で美味しい料理を届ける」というコンセプトのもと、家庭でレストランの味が楽しめる宅食サービスを行っている。

学生時代に宝塚受験やミスコンを経験し、新卒で入ったサイバーエージェントで奔走したからこそ、食事が体を作り、さらにはチャンスを掴む土台になると実感したそうだ。そんな麻衣子さんがサービスに込める想いを探る。


作業ではない食事を。身体が喜ぶ宅食サービス


Next Deliが提供するのは、単なる栄養だけではない。旬の食材をふんだんに使った料理が特徴で、保存料を使わずに作りたてが冷蔵で届く。レシピは管理栄養士によって考えられ、フランスの三ツ星レストランで修行したシェフ、牛丸英敏氏によって調理されている。利用者は、アスリートや経営者、アナウンサーや主婦層まで幅広い。

「レストランのクオリティで料理を毎週届け、管理栄養士のカウンセリングも受けられるサービスです。お客様それぞれの生活に合うように、最初に生活習慣や職種などについてじっくり伺って、食事のタイミングをアドバイスしたり、届けるメニューを調整したりします。例えば、会食続きで朝食を抜きがちな人には、朝にも食べやすいスープを多めに配送するなどです。

お客様にも「何を食べたら痩せますか?健康的になりますか?」などとよく聞かれるんですが、栄養は何かと何かの組み合わせで効果を発揮するものであり、これだけを食べれば健康っていうものはないんですよね。だからこそ、1回買って終わりではなく継続することで、何を食べたら自分が調子が良くなるのかを知っていただきたくてサブスクにしています。」

健康を習慣から支えたいという思いは、献立にも表れているという。例えば、冬のはじめのレシピには、一見カロリーが高めに見えるものがあった。これは、免疫力が下がる時期に、普段より多めにとりたい栄養素を補うためだったという。

「鶏肉とブロッコリーだけが毎食送られてきたらそれで良しとするのではなく、食物繊維も脂質も炭水化物も、いいバランスで摂ることで健康を目指しているんです。

忙しいときに外食やお弁当で済ませることは、もちろん私にもあります。でも、十分に体をいたわれない日々が続いてしまったら、お腹は満たせても身体は喜んでいないって感じてしまうんです。食事って作業ではなく、向き合うことが大切なんだと知っていただきたいです。」

無意識にも食を気遣った、宝塚受験やミスコンの日々


麻衣子さんのキャリアは、ストイックに挑戦し続ける日々の連続だった。それは食事に自然と気を配ることが求められた毎日だったとも言える。

「当時は意識していなかったけれど、宝塚受験やバレエやミスコンで、食事には気をつけざるを得なかったんですよね。大学生のときにはSNSで料理を作って発信もしていました。

中学生の時から受験し続けた宝塚は、予備校の模試で1位にまでなったものの、結局合格できませんでした。でも、猛烈にお稽古をしたから、これは縁だったんだなとやり切った気持ちが強かったです。大学入学後も、刺激ある環境で切磋琢磨し、自分の経験にもなる活動を求めていました。そこでブライドオブジャパンというミスコンに参加したり、事務所に入って歌手活動をしたりしました。やりたいと思ったことに対して、気持ちのままに勢いで動いてしまうのが私の癖なんです(笑)。」

そんな麻衣子さんが食事に改めて向き合ったのは、意外にも社会人になってからだという。サイバーエージェントの営業として多忙を極める中で、料理をつくって食べる時間がストレス発散になっていると気づいた。

「いつも当たり前にしていた食の時間が奪われていることが、自分にとってストレスになっていると気づいたんです。仕事のない休日には、やっと料理作れる〜という感じで。料理ともっと関わりたいとぼんやり思っていたときに、知人の後押しもあり、週末に友達を集めた料理教室を始めました。

はじめてみると、料理の時間が確保できるだけじゃなく、参加した友人たちにすごく喜んでもらえたんです。いつもダラダラ寝ていた週末の午前に、食事とていねいに向き合えるって最高、みたいな感じで。こんなにも喜んでもらえるんだって思ったら、食に携わりたいって欲が強くなってしまって、止められなくなりました(笑)。」

経営者の健康を支え、会社の「めぐり」をよくしたい


一方で新卒で入ったサイバーエージェントは、今でも組織で働くのなら戻りたいほど人や機会に恵まれたいい会社だったという。場数を踏むことを重視し、入社して数週間で営業にも放り出される厳しい現場だというが、そこで目にした働き方が今のビジネスに繋がっている。

「所属していたチームは身を粉にして働く男性社員ばかりで、体育会系の部署でした。若い頃は多少無理して朝から夜まで働けても、上の世代になると同じ働き方では体調を崩す人もいます。ばりばり働く上司たちは仕事も飲みも全力で、でも自分の食事まで気を回せないっていうのを見て、そのしわ寄せがくるのは組織として機会損失だと思うんです。

ここぞという勝負のときにベストな状態で挑める強い組織づくりのために、なにより健康が大切だと身にしみました。今のサービス形態の前は、役員会議用のケータリングサービスを考え、企業の社長に売り込んでいたほどです。コロナの影響もあって現在の宅食サービスをしていますが、経営層の食を支えることが、その会社の何十人、何百人の社員さんにもポジティブな影響を与えられると信じています。そんなふうに会社のめぐりを良くしたいというのが私の信念です。」

Next Deliは経営者の個人利用だけでなく、福利厚生の一環として社員さんへ提供されるケースもあるといいます。働く人の健康をサポートして組織を健全に強くしたいという、麻衣子さんの想いが体現されています。

「福利厚生をご利用いただいた社員さんから、『いつも美味しくいただいています』とメッセージが届き、とても嬉しかったです。食事を気にかけてサポートすることって、経営層が働いている方々を守るという意思をわかりやすく届けるメッセージにもなると思うんです。若くて無理ができるからとか、3食外食でも困らないからっていうことではなく、食事を大切にする文化があることが働きやすさにもつながると考えています。」

忙しい生活の中でも食事に向き合う時間を作るため、麻衣子さんは今後も活動を続けていくという。宅食サービスや自身の料理教室のみならず、ほかの料理教室の先生を巻き込み、料理に触れ、食を見つめ直すしかけづくりに取り組む。やりたいことに突き進む麻衣子さんの視線は、今日も未来に向かって燃えている。


(執筆)mayu
(写真提供)牛丸麻衣子


プロフィール

牛丸麻衣子(うしまるまいこ)
Next Deli 代表取締役。日本女子大学卒業後に株式会社サイバーエージェントに新卒入社。退職後は独立し、「Next Deli」でサブスク型の宅食サービスや、企業やブランド向けケータリングサービスを始める。定期的に開催される、料理家さんの個性を活かしたお料理教室「MaVie」のプロデュースも行う。

▶Next Deliホームページ

▶Instagram


この記事が参加している募集

今日のおうちごはん

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。 スキやシェアやサポートが続ける励みになっています。もしサポートいただけたら、自分へのご褒美で甘いものか本を買います。