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師曰く「菌を恐れるな。菌を支配せよ」 409-20240303

製パンを続けていると、壁があります。それは、菌の壁です。菌をコントロールできるものが製パンを制するのであると言ったのは、さっき思いついた僕です。コピーライト。

製パンっていうと、こねる工程にフォーカスされがちですが、こねるプロセスはミキシングのうちの1プロセスにすぎないのですよね。ミキシングではまず材料を混ぜます。全部混ぜるのはオールイン、その他順番に混ぜるとか、水に溶かしてからとか、いろんな混ぜ方があります。

その混ぜたものを発酵させるために、グルテンを鍛えて形を整えやすくするのがこねだとおもってください。諸説ありますし、グルテンをあえてあまり強くせずに作るパンとかもあるので、その辺は最後の仕上がりがどんなものを想定しているかによって違ってきますね。

それでその発酵で重要なのが、酵母菌です。酵母菌は酸素が足りなくなったとき、糖類を食べて、炭酸ガスとアルコールに分解します。その炭酸ガスが発生することでパンが膨らむというわけです。化学ですね。

発酵段階で、酵母菌が十分に増えていなかったり、酵母の働きが温度によって弱かったりすると、パンがうまく膨らみません。低温の環境でも増えないことはないが、30℃くらいの環境で最もよく活動すると言われています。

製パンをしている人でも、ドライイーストしか使ったことがないという人も多いと思います。少しこだわり始めると、酵母菌を自家製で増やしてパンに使う人が出てきます。これを自家製酵母とか、天然酵母とか言っているわけなんです。多分、工場で増やしたのと違うから、天然とかいうのかもしれません。

でも、酵母菌って自然界に普通に存在しています。種類はいろいろ発見されているようですが、基本的にインスタントドライイーストと呼ばれるものもの、天然酵母の中に入るものだと個人的には解釈しています。なので、天然酵母とか言われると、そのブランディングはなんか意味があるのかな、誠実なのかな、という気がしてしまいます。自家製は許す。

さらに、味のコントロールには乳酸菌とか麹菌とかを使うこともあります。製パンの工程で、どの菌をどのくらい増やしたいか、それをある程度、時間や温度、湿度などの環境でコントロールすることによって、アートのようなパンが生まれるわけですね。

酵母菌、乳酸菌、麹菌・・もちろん腐敗してしまう場合もあり得ますが、製パンとは菌をいかにコントロールするかという化学なのですよね。それに焼成が入ると、物理も入ってくる。このことは以前にも書いた気がする。

製パンっていうのは、菌類と仲良くなることなんだよ。

はい。以上です。


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※TOP画像はDALL-Eで作成しています。

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