大卒も共働きも、「当たり前」になると苦しい

大学の存在意義や奨学金、働く女性と子育てなど、社会にまつわるあれこれを考察する続きの記事です。先日書いた、奨学金が「就職するための借金」になっているという記事でも触れましたが、大学全入時代と言われて久しい現代において、大学に進学する理由として一番大きいのは「みんな行ってるから」「就職に大卒の肩書が必要だから」ということではないかと思っています。私も何も考えずに大学に進学した一人ですが、大学に高等教育を受けたくて行く、本当に学びたくて行くという人はどのくらいいるのか疑問に思います。また、今の大学がそうした学ぶ意欲や知的好奇心を満たしてくれるのかどうかにも疑問を感じています。

大学全入時代、そして就職するには大卒であることが必須である企業も多いとなると、子どもの教育費に莫大なお金がかかるようになるわけで、それが少子化の原因の一つでもあり、女性が子どもを保育園に預けてまで働き続けなければならない理由の一つでもあると思います。大卒でようやく同じスタート地点ということになってしまうことにより、家計の経済的負担も増えますし、大学の教育の質の低下、大学生の知性の低下にもつながってしまうように思います。世の中を見渡してみても、そんなに勉強熱心な人がたくさんいるとも思えず、「大学生の時しか遊べないから(遊ぼう)」という思想まではびこっている現状です。学生時代に「受験受験!」と抑圧されていた解放感で遊んでしまうのでしょうが、「高等教育機関」である大学に入っておいて遊んでしまうというのは本末転倒という気がします。

「昔は高等教育を受けたくても受けられなかったんだから、今は恵まれている」といった言説もあり、それはとても理解できます。女性の社会進出にも同じものを感じていて、「昔は女性が働きたくても働けなかったんだから、今は恵まれている」といった言説も確かにありますよね。それを希望する人ができるようになるのはいいことだと思います。本当に学びたい人が大学に行けて、キャリアを積みたい女性が社会で働くことができる社会はとても豊かで恵まれていると思います。しかし、「大卒がスタートライン」「女性が働くのが当たり前」という状況になってしまうと、それはかえって苦しみに変わることもあるのではないでしょうか。現代はまさにそのことが起きていて、その苦しみに直面しているのではないかという気がしています。

「大卒が当たり前」「女性も働くのが当たり前」という社会は、簡単に言うとハードルが高すぎるように思うのです。高卒でも普通に就職して暮らしていける社会、女性が働かなくても暮らせる社会の方が、肩の力を抜いて、より楽に生きることができると感じます。大学については、本当に学びたい意欲のある優秀な人には、給付型の奨学金をあげれば良いと思います。高卒ですぐに就職するのではなく、少しモラトリアム期間を経て、アルバイトしながら海外に行ったり、世の中の見識を広めたりして、その中で本当にやりたいことが見つかったら大学に行ってもいいし、会社に就職してもいいと思います。今の制度では実質高2くらいで文理を決めたりするので、その時期では将来のことを決めるにはまだ早い感じもしますしね。高卒で入った職場で必要とされる知識を18歳くらいから学び始めれば、若いうちから大活躍できる可能性もあります。

私が子どものころは共働きの親というのはまだ少数派で、保育園出身の子はそれほど多くありませんでした。国が「女性の社会進出」を奨励し、推し進めた結果、それを望む望まないを考える余地もなく、現在ではそれが「当たり前」のような風潮になってしまい、社会に大きなひずみが生じてしまっているように思います。本当に高等教育を受けたい人がそれほど多くはない(と見える)ように、本当に社会で働いて活躍したい女性がそれほどいるのでしょうか?「女性が働くのが当たり前」の風潮だから、「働かずに家事育児に専念したい」と言うのは怠け者と思われそうだから、などの理由で、本音を口にできない人も実は多いと思います。よく聞く「共働きでないと経済的に苦しいから」というのも、「当たり前」である大卒までにお金がかかるからというのもありますよね。個人的には、将来のことを案じすぎるよりも、今目の前にいる赤ちゃんがママを求めそばにいたがっている、その事実を尊重してほしいと思っています。それを望む人に門戸を開くことと、それが当たり前になってしまうことには大きな差があるように感じましたし、そうなることが必ずしも人々が幸せになる道ではないのではないかなと、疑問に思ったことを書いてみました。

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