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大切なことを学ぶのは、きっと勝つことより負けることからだ 【5/23阪神戦⚫️】

どれだけ点を取っても取っても、ピッチャーが点を取られて負けるという試合が続くと、野手はそこそこ気落ちするだろう。

どれだけ0点を守っても、野手が点を取ってくれず負けるという試合が続くと、ピッチャーはそこそこ気落ちするだろう。

その小さなズレは、つもりつもるといろんなヒビにはなってしまうかもしれない。例えばもし、「点を取っても一緒じゃん!」と野手が思ってしまえば、その気持ちは後から何かに影響を及ぼしてしまうかもしれない。

野球というのは、投打のバランスで成り立つスポーツなのだよな、と、改めて思う。そのバランスはいつもとても絶妙なのだ。 そして「バランス」は野球のあらゆる側面に現れる。(つまりたいしのセーフティがヒットなのかエラーなのかということも、ほんの少しのバランスで変わってしまう。)

野球は、一人一人に仕事がある。誰かにチャンスは訪れる。打席に立つのは、一人ひとりの個人だ。そしてそのとき他の人にできることは、何もない。だからこそそこに立つ人はその時とても、孤独なのだろう。そこで戦うことは、勇気がいるのだろう。

でも私たちはその一人ひとりがチームになり、打席を「線」にし、つなげていくところを見るのが好きだ。そこに立つ一人ひとりを見ていることももちろん好きなのだけれど、つながってゆく線を、そしてチームを見ているのが好きなのだ。

チームであるからには、うまくいかないことすら、「線」になってしまうこともあるかもしれない。みんな仲良くチャンスで打てなくなってしまうこともある。物事は複雑に絡まりあい、抜け出し方がよくわからなくなり、何だかがんじがらめになってしまう。でもそれもほんの小さな、バランスの「ズレ」だ。

だけど、いつか抜けださなきゃいけない。というか、きっといつかは抜けだすことができるのだろうなと思う。それだってきっと、ほんの些細な、バランスの差で。ほんのすこしのきっかけで思い出した小さな自信で。

だからそれまでどうか、立ち止まったのなら深呼吸して、そこから動けなくなっている気がするのなら空を見上げて、ああ今日もいい天気だと切り替えて、やっていくしかない。

長いシーズン、そして長い選手生活の中で、自信をなくすことだってある。打てなくなる時もある。きつい言葉を目にすることもあるかもしれない。

でも私はいつも思うのだけれど、大切なことを学べるのはたいてい、勝つことからより負けることからの方が、きっと多い。

そこでうまくいかなかったことが、足踏みしてしまったことが、自信をなくしたことが、いつか大切な強さにつながってゆくのだ。それは、22歳のたいしだって、34歳のぐっちだって同じことだ。いつまでもいつまでも、みんなそうして成長を積み重ねていく。

いつまでも雨が降り続けるわけじゃない。その雨は地面を固め、大きな花を咲かせてくれる。まあ今はそう信じて、静かにじっと、春を待ちたいなと思います。がんばれ、がんばれみんな。



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