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駅伝と、オープン戦とーー熱狂の影にある無数の努力を思う 【2/24楽天オープン戦⚫️】

人生二度目の駅伝を走った。タイムは(記録証によると)昨年より速くなり、生まれて初めてキロ5分を切った。35歳のわたし、ヤクルトのおじさんたちに励まされ成長している…。

充足感でいっぱいになりながら焼肉のお店に入り(なんせ子どもたちが焼肉食べたい!とかいって先輩たちがお店を探してくれたのだ、優しい・・)乾杯をし、走った後のビールという最高に美味しい飲み物を飲んでいる時にはたと気づいた。そういや楽天戦が始まってるんじゃないのか?

そっとスポナビをみたところ、2回の時点で相手に4点ばかり入っていた。ふむ、どうやら私は酔っているようだ。忘れよう。

というわけで私はおいしくお肉をいただいた。息子が頼んだカレーがやたらと美味しかった。焼肉屋さんのカレーって美味しいんだな。覚えておいてください。

これが私の昨日の一日と楽天戦の感想です。以上です。

・・・(しばし無言)

あれはむすめがおなかにいる時、だからもう6年くらい前になると思うのだけれど、東京ドームに巨人とどこかのオープン戦を見に行った。というか、オットと息子に連れて行かれた。

その頃もちろん私はさっぱり野球に興味がなく、野球を何人でやるのかすら知らなかった。だけどまあ生で見る野球というのはなかなか楽しくて、「いやーおもしろかったねー!」とか言っていたら、最後の最後に電光掲示板に「次回いよいよ開幕戦!!」の文字が流れた。

「・・・え、何、開幕って・・!?え、じゃあこの試合はなに!?私が今見た試合は何!!!????」とオットにつかみかかった。いや、つかみかかってはいないけど。

「そうそう、開幕はまだしてないから。練習試合みたいなもんだねこれは。」と涼しい顔でいうオットに、「!?!?!?!?練習試合!!??なにそれ!?!?これだから巨人は!!」と、わけのわからない八つ当たりを巨人にしておいた。

そんな私も今やすっかりオープン戦を楽しみにしているから人生というのは不思議だ。まあ、昨日のことはよく知らないけれど。

でもそこはやっぱりオープン戦なので心穏やかだ。去年はこんなに穏やかに試合を見られるならずっとオープン戦でいいんじゃないの?順位をつける意味なんてあるのか?とまで思った。

しかしペナントが始まったらやっぱり、どれだけ深く傷つこうが裏切られようが二度とこの人たちの顔なんて見たくないと思おうが、目の前の試合のひとつひとつが熱を帯び楽しくなる。キャンプも紅白戦も練習試合オープン戦ももちろん見ていて楽しいのだけれど、「本番」の試合はやっぱり別格なのだ。

昨日の駅伝は、ここ最近走った中で一番疲れ果てた。たった4キロ走っただけで15キロくらい走った時よりも疲れ果てた。へろへろで21時にはベッドに入った。でもそこには普段走るだけでは絶対味わうことのない、そして自分が走るまでは知ることのなかった、充足感がしっかりあった。

もちろん実際は、4キロの距離を走ることが15キロや20キロを走るよりも疲れるなんてことはないはずだ。それでもそれだけへろへろになるというのは、「本番」ならではの緊張感がそこにあるからだ。

私は根がサラリーマンなので(もうサラリーマンじゃないけど10数年サラリーマンをしていると根っこはサラリーマンになる)「先輩たちと駅伝を走る」というだけで、(私がどれだけ先輩にさっぱり気を遣えないダメ後輩だったとしても)「当日までに怪我をして穴を開けちゃダメだ」とか、「そりゃ先輩たちよりキロ1分以上タイムは遅いわけだけれどもそれ以上遅くなるのは忍びない」とかは(これでも一応)考える。

そしてもちろん、人が集まり、スポンサーがつき、企画が練られたその場には、一人で近所を走っている時とは全く違う、張り詰めた、でもピリっと心地よい空気が流れる。

そしてそこで、その「本番」で力を出すためには、やっぱり日々の地味な練習の積み重ねが必要なのだ。

私はプロとは違って「持って生まれたもの」なんてゼロだから、もうまじで日々コツコツと積み重ねないことには「クタクタになるまで走る」ことすらできない。

そうは言っても毎日毎日、テンション高くやる気をみなぎらせて走っているわけでは全くもってない。どちらかというと毎朝毎朝、ああ今日も走りたくないと思いながら靴紐を結ぶ。今日走ることで、例えばレースでいいタイムを出せるという確証は一切ないのだ。

ただ、練習が実を結ぶ保証は一切ないけれど、練習しないことには、成長しないことは確かだ。練習しても成長しないかもしれない。タイムは伸びないかもしれない。でも、練習しないと成長はしないのだ。

野球で言えばそれが、練習試合でも、オープン戦でもない、「本物」の試合だということだ。

そして、そこで力を出すために、本気で戦うためには、プロですら普段の練習を積み重ねるのだ。それこそがたぶん、「本物」の緊張感を、そして熱狂を、最も作り出すものなのだ。

私は持って生まれたものがさっぱり何もないのでもちろんただひたすら日々走るしかないわけだけれど、持って生まれたものが山のようにある野球選手ですら、やっぱり「さらにうまくなる」ために努力を積み重ねてゆく。

その努力が集まった試合の熱気はやっぱり「プロ」だから作り出せるものなのだろう。それがプロなんだよな、と思う。人の何百倍も努力して、コツコツと積み上げたものを、全身全霊でプレーし見せることで、熱狂を創り出す。

あと一ヶ月で始まるその熱狂を楽しみに、楽天戦の「被安打13」のことはすっかり忘れようと思います。いやあ、希望だらけだ。


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